グラウカス・リサーチG第一弾
さて、昨日の日経紙投資情報面には「米空売りファンド、会計処理に異議」と題して、空売り専門の投資ファンドである米グラウカス・リサーチ・グループが会計処理に疑問を呈した伊藤忠商事側の反論が書かれていた。
この件に関しては先月11日に当欄で「空売り界の文春?」と題して、この米グラウカス・リサーチ・グループが日本市場に参入する旨を取り上げ、この時数か月前から日本企業株の調査を始め既に時価総額の大きな企業3〜4銘柄を対象に絞ったとしていたが、果たして第一弾として上記の伊藤忠商事に矛先が向けられた模様だ。
ちなみに同社が先月末に公表した調査リポートでは、コロンビア炭鉱に対する出資持分の価値が著しく低下していたにも関わらず不適切な区分変更によって減損損失の認識を意図的に回避し2015年3月期の当期純利益を課題報告したと考え、東芝と同規模の会計スキャンダルを引き起こす可能性があると指摘、投資判断を新規で強い売りとし目標価格を631円としている。
今週は商社ポストも主力どころの決算一巡を経て冴えない株価となっているが、同社はこれが発表された当日の商いが前日の6倍以上にも膨らみ株価は一時10%安の憂き目に遭っていた。冒頭の通り反論声明を出す同社に、日本取引所グループのCEOも取引自体に問題があれば必要に応じて対応を取る考えを示唆する事態となっているが、倫理的な解釈の違いを何所まで主張出来るのかどうかこの行方が気になるところ。