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フィンテックとかTOBとか

本日の日経紙一面には「通貨と同じ位置づけに」と題して、財務省と金融庁がビットコイン等の仮想通貨を買う時にかかる消費税を2017年春をメドになくす調整に入り、仮想通貨をモノやサービスだけでなく支払い手段として明確に位置づけるという旨が書かれていた。

この報道によって本日の冴えない日経平均の中でもロックオンの急伸を始めとして、セレスやGMOメディア等の仮想通貨・フィンテック関連銘柄が再度動意づく展開となっていたが、5月の仮想通貨取引所を登録制とする改正資金決済法が成立しメガバンクも活路を模索し始めている動きのなか利用者増加へ一段と弾みがついてくるか注目。

一方でズルズルと本日も続落し値下がりランキングに入ってきたモノにさが美があったが、これは争奪戦の結果が結局当初のアスパラントグループに落ち着いた事によるもの。二度のTOB価格引き上げも最後は「拒否理由に同意できないが、しかたがない」とニューホライズンもあっけない幕引きであったが今回も内輪の論理優先だったのかどうか気になるところ。


低倍率恒常化

連休明けの日経平均は原油先物上昇を好感し約1ヵ月ぶりに17,000円大台を回復、ショートしている向きは一寸分が悪くなってきたが、先週末の日経紙マーケット面では「貸借倍率4年ぶり低水準」と題し7日時点の貸借倍率が1.04倍と約4年ぶりの低水準となった旨が出ていた。周知の通り貸借倍率はマル信を利用する個人の心理の動向を示す指標の一つであるが、こうした低下傾向がこのところ恒常的になってきている。

ところでこうした低倍率といえば、先の権利付き売買日最終に逆日歩の付く銘柄は646銘柄と2009年47月2日の652銘柄以来およそ7年6ヶ月ぶりの高水準となったが、いまだにやる向きがあるマル信のクロス商いで権利落ち後をしのぐ動きから貸し株が不足したと思われるが、これを跨いで月替り後もなお高水準なのは3月期末の時に見られた光景と同様でもある。

こうした傾向の背景には米大統領選挙や利上げを巡る思惑など外部要因が絡み相場の先行きに対する不透明感が色濃く表れているというのがあるが、もう一つ日銀によるETF買いによって相場が高止まりし個別もなかなかケツ入れの機会を逸しているという内部要因も指摘されており、今後日歩の変化等見ながら一旦解れる場面があるのか否か注目してゆきたい。


池坊2016

ハロウィーンが近いのでこのところ彼方此方でカボチャの出現率が高くなっているが、過日観てきた「池坊展」でも皐月展と時期も違うという事でハロウィンチックな作品も多く見られた。同展はここ暫くご無沙汰していたので一寸久し振りであったものの、「新風のきざし」をテーマに約450名の作品は何れも圧巻であった。

東京都美術館でやっていた頃に見たアンスリウムやストレリチアなどに竹や椿を組合せた斬新さに感動したものだったが、今回も上記アンスリウムにせいばんもろこしや満天星つつじを合せたりとこの辺の技は相変わらず。斬新といえば飲料ボトルに挿した花をフィルムで包んだモノが前回見られたが、これまた今年も国旗プレートやエンゼルヘアを花に絡ませたモノもありこの辺の創造は止まる事が無い。

また、花の種類も生け花では想像もつかないエアープランツを用いたり、通常は葉を多用するところで花の方はなかなか見ないオクロレウカ、これまたなかなか目にする事が無いブラックキャットなど珍しい花が見られるのも楽しい。ところで家元クラスの大作は毎度の事ながら感動ものだが、学生コーナーに見られた小学生の作品も立派なモノ多数で将来が本当に楽しみというものである。


オートファジー

周知の通り2016年度のノーベル生理学・医学賞は、生物が細胞内で不要なたんぱく質を分解して再利用する「オートファジー(自食作用)」の仕組みを解明した、東京工業大学の大隅栄誉教授に贈られる事が発表されている。この仕組みで新たな創薬の道が開かれる期待が掛かるが、日本のノーベル賞受賞は3年連続で計25人目という快挙であった。

毎年恒例行事ということで今一つ方向感が出ないマーケットにおいてこの手は恰好の材料になるワケで特にバイオ系はお約束ともいえる急騰、本日は一服したが先月後半から先取りで賑わっていたコスモ・バイオが昨日はストップ高比例配分、また医学生物研究も同様にストップ高比例配分と急騰、タカラバイオもザラバ急騰して年初来高値更新となっていた。

今年の風景を見ると昨年のパターンと重なる部分も多いが、今年も次の文学賞など今度こそ?の期待を織り込んで丸善HDの出来高が膨らんだり文教堂グループHDも年初来高値を取ってきている。ノーベル賞相場は一過性と揶揄されるのも恒例ながら意外に二番煎じも効き、一種のお祭り感覚で参加する向きは絶えない。


Kai-X設立

昨日は東商取を少し取り上げたが、取引所といえば本日の日経紙投資情報面には「超高速取引を排除」と題して、PTS(私設取引システム)を運営するチャイエックス・ジャパンが今月17日から主に機関投資家向けに東証と比べ売買スピードを意図的に遅らせるHFTを実質的に排除する仕組みを設けた新たな株式取引市場を設立する旨が出ていた。

この手で思い浮かぶものに既に米国では既に3年前から取引をスタートしている同じ私設取引所のIEXがあるが、今年6月には公式な取引所としてSEC(米証券取引委員会)に認可されている。ちなみに同所は受注から売買までの時間を350マイクロ秒遅らせているが、もともと超高速取引に対して疑問を呈していたCEOはこれを対抗手段として売り込んできた経緯があった。

HFTなど超高速取引に関してはこれまで幾度となく当欄でも触れてきたが、これらがリクイディティー提供に重要な役割を担っている一方で、米バーチュフィナンシャルに見られたような一般との機会不平等も混在する。この手の創設によって棲み分けが出てくるかどうかだが、何れにしろ東証を経由しない取引が何所まで普及するか今後に注目か。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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