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BEAUJOLAIS NOUVEAU 解禁

ご存知の通り例年この11月の第3木曜日がボージョレ・ヌーボー解禁日という事で、レストラン等からはそうした関連モノの案内等が今月に入ってから時折来て、昨晩はタイムリーに近所の酒屋でも「真夜中のワイン会」等と称したイベントが催され逸早くこれを楽しむ人だかりが見られた。

なんでも今年は春の天候不順で葡萄の成長が遅れたものの、夏場からは夜間に気温が下がり日中は日差しに恵まれる成熟に理想の天候となった模様。個人的にこの手に関して全く造詣が深くない私にはその辺の背景やらイベント招待の類に興味も湧かないが、渋谷での生産者団体のカウントダウンイベントでは数百名が盛り上がった様など報道されていた。

ボージョレ・ヌーボーを当欄で書いたのはかれこれもう10年以上も前の事で、確か当時鳴り物入りでオープンしたばかりであったゴードンラムゼイの強気な値段のワインを取り上げた記憶があるが、今やそのラムゼイも日本を撤退し店はない。それは兎も角も箱根では恒例のボージョレヌーボー風呂が始まり、都内では上記の如く各所でイベントが催されハロウィーン後のポストを少しずつ構築しつつある。


対話型へ変遷

本日の日経投資情報面には「日立、市場との対話重視」と題して、日立製作所が決算説明のみならず中期的に描く成長の道筋を分かり易く伝え安定株主づくりにつなげる狙いで、約5年ぶりに個人投資家向けの経営説明会の開催を始めた旨が載っていた。

これまでも当欄で触れてきたように、コーポレートガバナンス・コードとスチュワードシップ・コードが制定されより企業と投資家の「対話」がキーになってきたが、この辺は態度一変で先鞭をつけたファナックなど記憶に新しい。四半期毎の決算短信のみでIR部門さえ設置しないその閉鎖性が有名だったがWコード始動後IRは様変わりしこうして後に続いている。

斯様にコードの諸原則順守を心掛け多くの企業が後続しているが、先の投資ファンドによるさが美のTOB劇に見られたように黎明期?なだけにまだ末端までこれらが浸透している感はない。同紙マーケット面の大機小機にはWコードは海外からの輸入品で日本の実情には合わないとの意見も根強いと書いてあったが、上記の件等も含めどう変遷してゆくのか見守りたい。


想定外?

本日の日経紙商品面には「投資家が不満 売買低迷招く」と題して、先の米大統領選の影響で相場が乱高下を演じた10日に注文件数が処理能力の上限に達した事で、全商品の取引を一時停止するなどシステムを刷新したばかりの東京商品取引所でシステムの不具合が相次いでいる旨が書かれていた。

この東商取の新システム刷新に関しては当欄でもこの導入の一週間後に触れた事があったが、そこでは注文処理速度も従来と比べ向上、高速売買を手掛ける海外のプロップハウス等の誘致を視野に入れているとしたが、果たして移行後20営業日の1日平均売買高は移行前20営業日平均から減少している旨が報じられていた。

またシステムの都合上裁定が効き辛くなったのも影響して、この後の売買高も9月、10月と2ヵ月連続で前月を下回っている状況という。キャパオーバーで取引停止の事態といえばあのライブドアショックの時に東証がパンクしたのがいまだ記憶に新しく、「想定外」という言葉も東証パンクにまで使われたが、誘致を狙っていた層の信頼回復は今後の為にも早急の課題か。


売る人・買う国

さて昨日の日経紙の、今週の市場羅針盤の冒頭にはドラッケンミラー氏が米大統領選の投票日に保有する金を全て売却し、グローバルに債券を売り建てした旨が書いてあった。直近のインタビューで金保有の理由が全て消えつつあるように思われると発言していたが、成長加速と金利上昇の見通しに賭けたといったところか。

ところでこの金と言えばもう一つ、ちょうど一週間前に中国人民銀行が発表したところによると、中国の中央銀行が保有する金準備が今年10月末時点で5,924万オンスに拡大している。月間増加幅こそ少ないものの、5ヵ月連続の持ち高増加となり金準備の積み増しが進んでいる旨が窺える。

これまで金準備に関しては当欄では新興国を中心として積み増しが進んでいる旨を書いてきたが、この中国は以前より米国と同水準にまで金準備を引き上げると明言している。現状国別では世界5位とはいえ、外貨準備全体に占める比率は欧米諸国と比べてまだまだ極端に少ないだけに今後も同国の金準備政策の動向が注目される。


未曾有ゾーン

世界が大注目した米大統領選だったが、周知の通りトランプ氏がクリントン氏との大接戦を制することとなった。しかし、世界が注目する大イベントといえばブレグジットの時もまさか離脱が現実のものになるとは誰もが想像していなかったものだったが、今回の大統領選も同様な構図であろう。

昨日のマーケットもこれを映し日経紙マーケット面で株安を警戒する動きからまとまった買いが入ったと書いてあった16,000円プットは、寄り付きの15円からトランプ氏優勢が喧伝された昼過ぎには205円まで暴騰。ディープアウトの14,000円台の行使価格も寄り付きの1円、2円から昼前には10倍〜15倍まで化けるのだから毎度イベントで勝負に出る向きはこの中毒からなかなか逃れられないのも理解できる。

ところで勝負と言えば前回のブレグジットでは英ブックメーカーの多くが大きな損失を被った模様が報道されていたが、アイルランドのバディーパワーは、既に先月から今回の投票を待たずクリントン候補に賭けた利用者に総額100万ドル以上の賞金を支払い始めていたというが、今回賭けには既に200億円近くが集まっている模様でこの辺はどう処理するのだろうか?

まあその辺は兎も角も、本日のマーケットは悪夢再来?の昨日から一転して今年最大の上げ幅で急反発とまさに「往って来い」となり、上記の16,000円プットも本日の寄り付きは2円と冗談のような紙クズ価格に。往って来いで往復ビンタを食らった向きも少なくはないのではと思うが、いよいよ未曾有の世界が始まる事になる。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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