劇薬の処方
本日の日経紙経済面には「劇薬の緩和策重いツケ」と題して、黒田体制で2期目がスタートした日銀のETF購入という劇薬にも似た金融緩和政策のランディングへの懸念が書かれていた。これまでの過程で購入額を倍増させて以降株価の値位置は切り上がってきたが、日銀としては現状の購入ペースを維持する構えとなっている。
日銀が保有するETFの残高は昨年末公表の4〜9月期決算で20兆円を超えた事が報じられていたが、先月の株安で月間購入額は最大を記録した影響もあって先月末の段階で含み益も合わせて約24兆円となっているがこれは株式市場全体の4%弱にのぼり、現状の購入ペースが継続されればこれが5%を握るまでになると試算されている。
また上記昨年の時点で自己資本8兆1銭億円に対して保有ETFの時価は約2.5倍となっていたが、これも現状の購入ペースが継続されれば19年末の保有残高は日銀の自己資本の4倍強になると試算されている。斯様な構図からその危うさを指摘する向きは多いが、2%の物価上昇の大義名分を掲げ劇薬の処方はまだ続きその出口戦略はまだ誰も想像出来ない。