安い買い物か高い買い物か

さて、マネックスグループによる仮想通貨交換会社コインチェックの買収が本日完了となったが、この辺に関して昨日の日経紙総合面には1月下旬に巨額流出した仮想通貨NEMに関する同社の訴訟費用を最大でも10〜20億円と見積もっていると明らかにした旨が載っていた。

この買収、収益性は高いものの満身創痍の企業なだけに評価が分かれ結局アーンアウト条項での解決となり、今回マネックスGが同社を買収した金額は36億円と報じられているが、当初難しいと言われた約460億円もの補償をやってのけた企業に内部留保は存在したのかどうかこの辺も報じられていないだけに、一般論としてはたして今後の展開でこれが安物買いのナントカとなるのか否か気になるところではある。

ところで大手による仮想通貨交換会社の買収といえば、先週はヤフーもまた子会社を通じて仮想通貨事業者のビットアルゴ取引所東京に20数億円を出資し同事業に参入すると表明している。コインチェックに対してこちらはまだ営業も開始しておらず顧客基盤も無いハコへの対価として高い買い物ではないかとの意見もある。

いずれにせよ仮想通貨の時価総額を考えるに交換事業は多くの手数料収入が見込め旨みのあるビジネスともいえるが金融庁が改正資金決済法を施行しちょうど1年、決済手段より投機として育った部分がより表面化した背景が見え隠れするが、斯様にITや証券の大手を軸に業界再編も加速し次の成長を模索する段階に入って来ている。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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