ブランド化と保護
さて、先週は「返り咲いたコシヒカリ」と題し発熱しているブランド米の構図を取り上げたが、昨年末に米国を除く11カ国からなるTPP11(環太平洋経済連携協定)が発効されこれまで以上に安価な輸入牛肉が流入する事への警戒感を背景に牛肉の世界も一部上場大手や全農等を中心にしてブランド化の動きが相次いでいる。
実際のところ先月末に財務省が発表した貿易統計では品目別で牛肉輸入量は前年同月の1.5倍となり生産者のブランディングも益々課題になってくるだろうが、最近では並行して和牛の遺伝資源が所定の輸出検査をしないで海外に流出しそこでの生産に繋がっているケースが発覚し問題になっている。
この肉に限らず、例えば平昌五輪で活躍したカーリング女子のもぐもぐタイムで物議を醸し出した「流出苺」やら他にシャインマスカットなども問題になった事があるが、フルーツ等含めた農業の分野は知的財産が多く大切に創造した日本ブランドの海外流出は日本の輸出機会の脅威になり得る事でその対策も今後の課題だろうか。