普及と壁
さて先週は「ノルマの亡霊」と題し、かんぽ生命の保険業法に抵触する恐れのある不正販売の広がりを取り上げたが、これを嫌気した同社株への売り物は連休明けの本日も止まらずに年初来安値更新から時価総額は先週から上場来初の1兆円割れとなっている。今秋にも政府は日本郵政株の追加売却を予定しているだけになんともなタイミングというほか無い。
もう一つ時価総額が先月末からはや半減しようかという勢いのモノとして、先週末にストップ安まで叩かれ今日もなお大量の売り物を残し2日連続ストップ安の比例配分で引けているリミックスポイントがあるが、周知の通りこれは先週末に子会社のビットポイントジャパンが不正アクセスにより約35億円相当の仮想通貨が流出した旨の発表を受けた事に因るもの。
仮想通貨流出といえば記憶に新しいものに昨年9月にテックビューロ運営の交換所から約70億円が流出した件が記憶に新しく、その前の1月のコインチェックからは約580億円が流出した経緯がありその度にセキュリティ対策関連が物色される不気味な光景が市場で見られたが、いずれの仮想通貨交換所も金融庁から業務改善命令を受けてきた経緯がある。
同交換所に関しては金融庁が直近で業務改善命令が解除していただけに別な意味で冒頭のかんぽ生命同様になんともタイミングが悪いというほか無いが、直近ではフェイスブックのリブラなども話題になり決済手段としての普及の可能性が日進月歩で囃されている一方で、法改正成立直後に斯様な流出事件が繰り返されるなど行政の難しさが浮き彫りになっている。