ゼロコストの波
一昨日の日経夕刊一面には世界経済の先行き不透明感が高まるなかで、株式の短期的下落に備えたい投資家の需要を背景にデリバティブを活用した投資信託が増えている旨が載っていたが、投信といえば投資家が運用手数料を払わずに済むゼロコストの投資商品が世界で広がっている旨もその前の同紙に載っていた。
この辺に絡んでは当欄では先に主な運用会社10社の2019年3月期において実に7社が最終減益となった旨を書いていたが、その背景には上記のような世界で広がるゼロコストによる運用会社の低コストの逆風の影響が大きい。この時はパッシブ型運用の手数料が大幅に低い旨を書いたがこれも近い将来年0.12%まで低下するという。
こうした傾向はアクティブ型も然りでETF等のライバルの台頭が脅威となってくる。或る意味証券において対面分野はガラパゴス状態であった本邦も委託手数料完全自由化から20年、投資家の恩恵の裏で斯様な投資コスト急低下の波が今後業界の合従連衡を活発化させるトリガーとなり得る可能性が無いとも限らない。