炙り出される持ち合い株
さて昨日の日経平均は先週末に続いて600円を超える大幅続落となったが、そんな急落の中でも逆行高し年初来高値を更新していたものにNECがある。顔認証技術を活用して熟練医師でも判断が難しい病変などを高精度で見つけ出す事に成功したとの報が背景にあるが、もう一つ同社といえば香港市場に上場する半導体関連の「華虹半導体有言公司」の全株式売却を先に発表している。
同社はIFRSを採用しているために純利益に変動はないもののその売却益は581億円にのぼる。この手では三菱マテリアルもまたSUMCO株を売却し21年3月期には126億円の売却益を見込んでいるが、斯様に大手の所謂政策保有株の売却が進行しており先週の日経紙には2020年4月から今月中旬までの売却益の合計は20年3月期比で5割増しになった旨が出ていた。
来る東証再編の上場基準も睨んで今後は政策保有株の売却要請も進むと思われるがもう一つ、上場企業の持ち合い株が日本株全体の時価総額の約5%を占めるといわれているなかコーポレートガバナンスコード改定を背景にその保有合理性が一段と問われる事にもなるだけに今後も最後の炙り出しが促進される事になろうか。