脱炭素気運

さて、先週は米エクソンモービルが開いた株主総会で気候変動対策の強化を求めアクティビストが推薦した取締役候補が選任されるに至った。またオランダでは同じく石油大手ロイヤル・ダッチ・シェルに対し裁判所が大幅な二酸化炭素の排出削減を命じる判決を言い渡すなど脱炭素に向け世界的な企業に厳しい要求が相次いでいる。

この辺は先週金曜の日経紙社説にも「市場の力を脱炭素社会への移行に生かせ」と題し、上記の例を挙げ日本企業にとっても自社の環境関連の取り組みについて積極的に情報を発信する必要があると書かれていたが、直近では伊藤忠商事がインドネシアで建設中の石炭火力発電所について契約満了を待たず売却交渉を模索と石炭火力から完全撤退の方針を固めた事が明らかになっている。

この手の長期売電などの美味しい案件からの撤退は通常で考えれば理解に苦しむが、脱炭素は自然になるわけも無くIOC会長の言葉よろしく?実現する為には企業側も犠牲を払わなければならない。経産省など太陽光や風力など再生可能エネルギーで発電した事の証明書を公的機関が発行、価格も安くし一般企業が買えるようにする新たな市場創設取組を打ち出しているがまさに世界規模で気運が高まってきている。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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