初の銀行対象敵対的TOB
さて、先週にも取り上げたがこのところ関西スーパーマーケットや道路舗装最大手のNIPPOなどTOBの発表が相次ぎ、先週は対象銘柄が軒並みTOB価格にサヤ寄せする急騰を演じていたが、これらに続いて前回の当欄でも少し触れた通りSBIホールディングスが新生銀行の株式を大幅に買い増すべくTOBを実施すると発表している。
これを受け同社の株価はTOB価格にサヤ寄せすべく、先週末の比例配分のストップに続いて週明けの本日も大幅続伸し年初来高値を更新して引けている。旧長銀の新生銀行といえばかつては旧日債銀のあおぞら銀行との合併を目指していたもののこれが破談に終わった経緯もあったが、こちらも再編思惑の再燃か揃って年初来高値を更新していた。
同行も米投資ファンドのサーベラス支配が長らく続いていたが、破談劇からもう11年である。それは兎も角もこれまた先週書いた関西スーパーマーケットの例に見られるように従前は友好的な立場を築いていたものの、今回のケースのように競合証券会社との提携など信義にもとる?行為から何れもTOBに踏み切られているケースが多い。
先週末の発表前から2営業日で3割超の急騰とはいえ同行のPBRはそれでも未だ0.45倍程度、非上場となれば公的資金の絡みから金融庁も期待が膨らむというものだが、その金融庁は既に先週末SBIに対して新生銀行の主要株主認可を出している。同意なきTOBと喧しい展開で、同行は週内にも質問状を送付する運びだが先ずは今月中に明らかになる諾否の行方を見たいところ。