悲喜交交

さて前号の末尾でも注目したいとした第49回衆院選は昨日投開票が行われ、自民党は公示前の276議席から減らしたものの追加公認含め261議席を獲得し単独で絶対安定多数を確保、一先ず国民は現状維持を選択した格好になった。一方で立憲民主党と共産党は野党共闘で闘い野党第一党の地位は維持したものの、共に公示前の議席を下回り不発に終る結果となった。

ところで今回目立ったのは小選挙区での大物候補の敗北か。先ず自民からは甘利幹事長の敗北から比例代表でヤレヤレの復活も総裁に幹事長辞任の意向を伝えるなどのドタバタ劇はじめ、同じ現職組からは若宮万博相、また前デジタル相の平井氏、元自治相の野田氏、レジ袋廃止論で再度の注目を浴びたばかりの元五輪相の桜田氏も敗北、国土交通大臣を務めた元幹事長の石原氏に至っては比例の復活さえ叶わなかった。

現職の幹事長や閣僚が次々敗れるのは前代未聞だが、野党も辻本氏が維新の会に敗北し比例でも復活は叶わず、また重鎮格の小沢氏も敗北と衝撃だったが、立憲民主は選挙直前にもともと非課税制度を謳っているNISAに対してまで課税をにおわすなどトンチンカンな失言をしていた事も相俟って議席が減ったのは当然な流れだったか。
   
ともあれこれを受けて本日の日経平均は政局不透明感の後退から個人投資家心理の改善に寄与、諸々の脅威もあったものの当面の政権運営に関しては強い信任を得た格好で700円を超える大幅続伸となり、個別の方も重点政策とした子育て世帯支援関連株が軒並み大幅高となっていたが、今回の選挙を切っ掛けに各所で再編の動きがあるや否や今後出て来る政策に対し市場が好意的な反応を示すかどうかとも併せ注目したい。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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