双方乖離の審議会
厚生労働省の審議会は昨日から企業で働く全ての労働者の最低賃金を決める協議を行っていたが、果たして労使双方の主張には隔たりがあり合意する事が出来ないまま次の日程も決まらないという異例の事態になっている。最低賃金に絡んでは本日の日経紙総合面でも取り上げていたが、欧米に比べると本邦の水準はまだ大きく見劣りするのが現状だ。
今年度の協議は物価高を背景に、労働者側が生活費の上昇等を訴えて賃金の大幅な引き上げを求める一方、経営者側は原材料費の高騰等が中小企業の経営に悪影響を与えているとしてこれに難色を示している構図となっている。確かに原料費高騰を背景に値上げが行われているものの、実際は一部転嫁に過ぎず賃上げ出来るほどこれが為されているかといったら甚だ心許ない。
上記の通り日経紙では「最低賃金、欧米に見劣り」と題していたが、確かに世界中が賃上げするなかその名目年間賃金は日本だけが横這い推移となっている。毎年3%の引き上げが続けば24年度には政府が目指す水準に近付く云々も記事にあったが、日本の労働者の約7割が中小企業に勤めているワケでそうしたところにコンスタントに3%賃上げの余裕はないのが現状か。昨日取り上げた日銀の継続緩和も虚しく見えて来るものだが、税制等含めた政府支援は喫緊の課題か。