自治体競争狂騒曲
さて、昨日は「世界猫の日」だったそうでふるさと納税で保護猫を支援出来る取り組みや猫に関する返戻品などの案内が来ていたが、このふるさと納税といえば先月末に総務省から発表された2021年度のふるさと納税の寄付額は、8302億円と前年度から23%増え2年連続で過去最高を記録した旨が報じられている。
毎年確実な増加を見せているふるさと納税だが、最近では飲食店の店頭にQRコードが置いてありその場で返戻品扱いのメニューを受け取れたり、アウトレットのフードコートやゴルフ場などで即日使える食事券等の自動販売機が設置されたりと、地元の経済活性化に直接つながりより手軽に納税が出来るような進化形スタイルも続々と増えてきている。
当然の如く連れて住民税の控除額も多くなる計算だが、こちらの21年1~12月の寄付による22年度の住民税控除額は5672億円と前年度に比べて28%多くなった。同控除額が多い自治体常連組の横浜市など今年も首位であったが、住民税減収分のうち地方交付税で補填されない部分でも数十億円と決して少なくない額で市としても看過出来ない数字か。
それでもまだこの恩恵が受けられる自治体はマシな方で、以前にも書いたように地方交付税の恩恵の無い大都市圏など更に頭が痛いところ。一方で対極の自治体等は途轍もない財政効果等を享受し返戻品競争にも一段と拍車がかかっている構図で、制度開始から15年経ってなお還元率を巡るいたちごっこ含め内在する歪も擁したまま今後も狂騒曲は続きそうだ。