新体制下の初会合

さて、植田新総裁になって初めての日銀金融政策決定会合が明日から行われるが、やはり最大の関心事はYCC(イールドカーブ・コントロール)なる長短金利操作の修正がいつ為されるかだろう。新総裁は就任直後の記者会見で、「現状の経済物価金融情勢を鑑みると現行のYCCを継続することが適当。」と述べていたもののマーケットのさがで何らかの動きを期待するフシもある。

一部の外資系銀行ではドル円への影響を仮に4月にYCCの10年債のレンジを0.5%から上限1%に拡大した場合は約5%の円高、長期金利の操作対象年月を5年から7年に変更した場合は約6%の円高、YCCを撤廃した場合は約9%の円高に振れると試算している。ただ今回はGW直前なだけにマーケットの混乱等を避ける意味でも現行継続は適切との発言を撤回してまで決行するような可能性はさすがに低いか。

ましてや欧米での金融システム不安や、先の日銀短観で大企業製造業景況感が5期連続で悪化している事などもあり何らかの動きがある可能性としては6月という向きが多い。しかし米の実体経済の悪化、リセッション入りの足音も聞こえはじめているだけに金融政策の正常化への舵を切るタイミングもなかなか難しいところではあるが、ともあれ目先は明日からの初会合に大注目としたい。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

カテゴリー

アーカイブ

2023

4

1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30