祭りと商機
コロナ禍を経て先月は日本三大祭りの一つ、京都の祇園祭が4年ぶりに通常開催となり約15万人が訪れたが、昨日からは東北最大の青森のねぶた祭がこちらも通常開催されている。こちらも4年ぶりに制限のない通常開催となったことで感慨もひとしおというものだが、今年はインバウンド含めた富裕層を対象にしたサービスが全国の夏祭りに広がっている。
上記の祇園祭の最大の見せ場となる山鉾巡行では今年初めての試みで、一席40万円のプレミアム観覧席が販売された。山鉾巡行についての音声案内ガイドが用意され、京都名物の「おばんざい」をつまみに京都で作られたワインや日本酒を飲みながら祭りを楽しめるというものだが、販売開始と共に8割近くがインバウンド客に売れ体験した向きはいずれも満足そうであった。
この青森ねぶた祭でも昨年1日2組限定で導入した100万円のVIP席を今年は1日6組、開催5日間で30組まで増やしたがこちらも開始早々半数の予約が埋まったという。こうした動きを見て今月12日から始まる徳島の阿波踊りでも1人20万円のプレミアム桟敷席を20席導入、2階のソファー席で徳島産素材を使った食事を堪能しながら演舞の解説を聞いたり踊りの体験も出来るという。
先に2023年1月~6月の訪日外国人客数がコロナ前の64.4%までに戻った旨が報じられていたが、某生保系シンクタンクが報じているところではコロナ禍前の2019年1-3月と今年の同期では宿泊日数が4日以上伸び、消費額も約9割が回復しているとういう。内訳では買い物代が減少する一方で上記の祭り含む鑑賞モノなど娯楽・サービスが2倍以上に膨らんでいるという。インバウンド消費もモノからコト消費へと変化するなかで、高単価の企画等ここに商機を見出す動きは今後も加速してゆきそうだ。