異例の都知事選
さて、周知のように東京都知事選では現職の小池百合子氏が都政の刷新を訴えた新人候補を振り切って3選を決める事となった。当初は参議院議員を辞して立憲民主党から出馬した蓮舫氏との一騎打ちになるとされていたが、蓋を開けてみれば小池氏の圧勝に続いたのは若年層中心に支持政党を持たない無党派層の受け皿となった石丸氏が浮上していた。
また同じ日に行われた東京都議会議員の補欠選挙では自民党候補が相次いで敗れたが、政治とカネ問題への不信感が如実に表れたかたちで自民への逆風はますます強まってきている証左か。ところで今回の都議選は史上最多の56人の候補者乱立という異例のものになったが、法の網を潜り抜け大量に候補者を擁立して掲示板が売買されたりモラルを欠く選挙公報や政見放送などの弊害も齎された。
SNSがバズった事などもあり曲がりなりにも投票率は上がったが、こうした結果子どもの通学路に品を欠くポスターが堂々と掲げられこれを媒体として収益を稼ごうとする魂胆がミエミエなモノも出現するなど公選法が想定していなかった事態も物議を醸し出している。供託金含め公職選挙法を見直す意見も当然出始めたが、これがはたして健全で成熟したデモクラシーの姿なのかどうか再考の余地は大きい。
いずれにせよ今回の都知事選では刷新より継続が選ばれることとなったワケだが、東京都知事の重要課題の一つに以前にも書いた東京の国際金融都市構想がある。ちなみに最新の国際金融センターランキングでは日本は19位とアジア圏でも下位に甘んじており、地位向上に向け各所の育成など成長戦略のブラッシュアップが必要になるだけにどういった舵取りをしてゆくのかこの辺り含め今後も注目してゆきたい。