鎖国の始まり? 

さて米トランプ大統領が相互関税を発表、早速中国が報復関税を発表するなど貿易戦争や景気後退への懸念が改めて台頭したことで世界中のマーケットがパニックになっている。WSJは米市場が3日、4日の2日間だけで約6兆6000億ドル、日本円で約970兆円分の株式時価総額が吹き飛んだと報じ、本日の日経平均も225採用銘柄が寄るまで約30分もかかり引けは2644円安と続急落の憂き目に。これは昨年8月の暴落時と87年のブラックマンデーに次ぐ過去3番目の下落幅ということになる。

上記の昨年8月5日も月曜日であったが、本日も月曜日ということでまた「令和のブラックマンデー」になってしまったが、昨年8月以来のサーキットブレーカーが発動、となればカオスな中でも先物オプション市場は別格に熱い。当限の30000円プットは週初の寄りが7円だったものが今日は前場早々に850円と実に121倍にも暴騰、そこから更に5千円も離れたディープアウトの25000円モノも同じく週初の2円が前場に120円とこちらは60倍に大化けしている。

一方で先週末にはインザマネーだった当限の33750円コールは今日の前場にはプレミアムが10分1 に暴落と明暗を分けた。個別でもディフェンシブ色の強かったIPモノの任天堂も続急落していたが同社は「スイッチ2」の米での予約開始を延期に、またアップルもiphoneを価格転嫁した場合は米で最大43%の値上げの可能性を指摘、製品の多くが中国製造で米への輸出時に関税が発生する事で日本での価格もまた値上がりの可能性がある。

しかしトランプ氏といえばタフなビジネスマンとの評判だが、過去には事業経営で何度も破産申請をした経緯がある。そんな人物が最高権力者の座に就き大統領令をもって戦後の経済発展を支えた自由貿易システムをブラフではなくリアルにリセットしてしまう狂気な経済政策が本当に国にいいと信じている。いずれにせよ本邦がこれまでどれだけ米国への投資で貢献してきたかと考えるとなんともやり切れない思いだが、ここから日本政府の外交手腕がまさに問われる時か。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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