感覚の変化
さて連休明けの海外商品市況で金は小動きであったが、この金といえば日曜付け日経紙けいざい解読には「現代版ゴールドラッシュ」として、ドルへの不安感の裏返しとして通貨代替や資産保全の機能を金に求める動きが続いている旨が出ていた。
この中で、テキサス大学の基金運用会社「UTIMCO」が重量20トン、時価10億ドル相当の近海をニューヨークの銀行の金庫に保有することにした旨や、ユタ州では5月から金貨を同州の法定通貨として認めたという旨が出ていたが、「UTIMCO」といえばたしかハーバード大学のそれに継ぐくらいの規模と思うが、もともとこの金は先物でロングしており昨年の波に乗って既に倍化していたものの、この先物から現引きという手段を取った事になる。
デリバティブ先進国の米国では各種の運用形態も先物が主流だが、一部現物への回帰など今迄に見られなかった動きが出て来たのは興味深い。ユタ州の事例にしても他の州へもこうした動きが波及し始めているとも聞くが、当の米国内でこの手の動きが出て来たことは昨今のドル不安が根強いものと改めて感じざるを得ない。