物価上昇の良し悪し

一昨日の日経紙・グローバル市場では「銅価1万ドル時代」と題し、代表的な非鉄金属である銅の国際価格がLME(ロンドン金属取引所)の先物価格で先月1万ドル超となり2011年2月に記録した史上最高値を10年ぶりに更新したが、脱炭素の気運から世界のグリーン革命を背景にして一時的な高値示現では無いとする見方が書かれていた。

世界需要の半分を占めるようになった中国の需要が前回の波なら、今回の波はその需要に匹敵か上回る可能性があるグリーン革命によるものという。ところで銅が高値の波を作る度に起こる社会現象として銅合金製品を狙った盗難事件多発というものがあるが、果たして今回も度々TVや紙面を賑わす盗難劇がぼちぼち出て来るのだろうか?

その辺は兎も角、直近では牛肉がこの中国需要の波に呑み込まれ国内外食企業や中小のスーパーなど急遽対応を余儀なくされている模様だが、気になるのは斯様に脱炭素と共に世界景気回復の流れから冒頭の銅はもとより原油に穀物、木材から上記の牛肉などの商品価格が軒並み急騰している点か。

既に食用油は今年に入って大豆相場の高騰を背景に一部で値上げが3回目となり、大豆に連れ高となった小麦の影響で小麦粉やパスタなども一部値上げが発表されている。原料価格高騰が価格改定を上回るケースで企業が更なるコスト高の転嫁を進めれば上昇圧力も自ずと強まる事になるが、物価上昇もロケーションで良し悪しが二分されるだけにアフターコロナに向けこの辺も注視しておきたい。


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