投機逆回転

さて、トヨタショックとでもいうべきか今月はトヨタ自動車が新型コロナウイルスの感染拡大や半導体不足などを背景に、9月の世界生産を計画から4割減らす方針を先に明らかにしている。これを受け需要冷え込みへの懸念からこの週は、自動車の排ガス浄化などに使用するパラジウムの国際価格が先週初めに約6か月半ぶりの安値に沈んでいる旨が先週末の日経紙商品面に出ていた。

パラジウムといえば春以降の急騰で5月には史上最高値を更新し、他メタルも同じく自動車の排ガス浄化触媒装置に使うロジウムなど3月には史上最高値を更新し前年同期比で実に5倍近雲の急騰を見せたものだが、上記のパラジウム同様に足元でははやくも半値水準に近いところまで沈んでいる。

トヨタ自動車の減産は世界的な新型コロナウイルス感染拡大の影響で4割以上減産した昨年6月以来の規模となるものの、2022年3月期通期の生産計画930万台など据え置きとし株価も先週は小戻ししていたが、この度の連動に見られるように他のメーカー含めた生産動向に工業用メタルも斯様に敏感になってきている。

またこれらの親玉?プラチナもEUのディーゼル車全廃方針や米金融緩和の縮小観測などを受け今月上旬には約8か月ぶりの安値まで下落している。ただこちらには燃料電池車需要や、この度の東京五輪で見せ場を作った「水素」生成の絡みの潜在需要も控えている事でこの辺をどう織り込んで来るのかというところで、今後はPGM系も跛行色が顕著になってくるかどうかこの辺にも注目しておきたい。


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