76ページ目   商品先物

行政と規制緩和

今週気になったニュースといえば、大阪証券取引所、中部大阪商品取引所、関西商品取引所で三取引所間の相互協力協定(MOU)を結んだとの発表であろうか。

この相互協力協定に関しては年明けに東京証券取引所と東京工業品取引所がやはり同様に締結しているが、大阪証券取引所もその後東京工業品取引所とMOUを締結しており、この辺はロケーション論含めて証券取引所と商品取引所でその生き残りに関する政策でも体温の違いを感じるところ。

ただ、何れにしろ証券取引所側が規制緩和が可能にする商品取引所との提携強化が課題なのは間違いの無いところで、極端にボリュームが偏向している商品取引所の構図ながら使われ方によっては化ける可能性が無いわけではないかとも片隅では考えたりも。

比べるのもどうかと思うが地元財界の顔色を気にする証券新興市場とは共通項があれど、こちらの方がクリヤする身軽さという点での現実味はまだあるかもしれない。


周期

昨日は石油連盟が開催した臨時理事会にて渡会長(新日石)が退任し、新たに天坊氏(出光)が新会長に同日付で就任した模様である。

近年では会長職がコスモから新日石そして今回の出光と変遷して来たわけだが、前任の渡氏にバトンタッチした時分からWTIは約100ドルの暴騰、それに伴いガソリンの値段も塗り変る等業界の状況は激動であった。

さて新会長就任と同時に卸値の再度引上げを発表し、この卸値については今年度中に国内市場価格に連動させる仕組みに変える考えも明らかにしているが、この辺は先月新日石について当欄で触れた通り。

ところで市場価格といえば東工取、同会長は期近の建玉制限等当業者にとってもっと使い易くすれば今より秩序ある市場になるとしているが、さて思惑通りリクイディティ増加等各所変ってゆくか否か今後に注目である。


形骸化

本日の日経紙には相場操縦等不正取引に関与したトレーダーに課す罰金上限を10倍に引上げると共にCFTCの監督範囲を拡大する等、商品先物取引の規制強化案を米議会が可決したとの件が出ていた。

完成され整備されている指標マーケットはそれとして返って国内はどうだろうか、段々と今後ガラス張りの部分が縮小されてゆくものの商いと引き換えの見て見ぬフリは過去幾つも見られたが、何れにしろこうした領域では未だ発展途上だろうか。

素人目でも規制対応の遅さというかその基準自体の形骸化を感じる時もあるがそうした事例の時ほど官僚色を感じるもの、何れ参加者シフトが起こる時も来ようが世界基準でみて万人が納得ゆく説明でなければこれまた取り残されるのは必至か。


コスト転嫁の波

世界では比較的時期が遅い日本の昨日はご存じ「母の日」であったが、何処も街中はそれに関連したデコレーションが目立ち、今年は特に以前当欄で触れた事のある花弁が七色の薔薇が大人気であると彼方此方で聞いた。

ところでこのオランダからの輸入物以外で主力の定番はやはりカーネーションであるが、今年はハウスの暖房油の値段が昨年から2倍以上に跳ね上る等、関連コストを直撃している模様だ。

折しもWTIは週末も史上最高値を5日連続で更新し上記よろしくここ一年でとうとう2倍に、ここへ来て急成長を遂げる新興市場国の旺盛な需要という実需面を理由にする向きとリスク市場を避けた投機筋に因るものとする向きとに二分されているようだが、何れにせよ一般へのコスト転嫁の波はデフレ慣れした日本人に今後ジワジワと襲い掛かってくるか。


次期システムと整合性

さて、GW中にはWTIが10ドル近い暴騰を演じる等各商品が大きく動いた事もあって、連休明けの東京市場ではTOCOM銘柄中心にストップ高銘柄が続出であった。

以前にも書いたが夫々値位置が値位置なので以前と同率動いても可也の値幅になり、精神的にもう慣れたとはいえポジションによっては本日の白金よろしく一発で証拠金が飛んでしまうようなものも幾つか出て来る事態となる。

TOCOMあたりは次期システムの移行からやっとというかサーキットブレイク導入と言われているが、その場合にも現行証拠金基準額では整合性の取れないケースも当然ながらありこの辺も課題の一つとなるだろう。

商品でサーキットブレイクの発令事態とは想像するだけで凄そうだが、従前の証拠金管理も抜本的に考え直す時期にきている。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

カテゴリー

アーカイブ

2025

10

1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31