85ページ目   商品先物

代償

今週は5日が「世界環境デー」であったが、環境保護関連といえば昨今世界的にも注目を集めているのがご存知バイオ燃料だろうか。

当然その原料ともなっているトウモロコシやサトウキビ関連は当該製品の高騰から、転作の影響で他商品の減産にも繋がりこちらも価格への転嫁が継続されており緩やかな分まだあまり実感が湧かないが、事実飲料ほか各食品関連が既にジワジワと値上りし今後もこれらの波及の程度は計り知れない。

6日付けのフィナンシャルタイムズではOPEC事務局長もバイオ燃料ブームに警告を発していたが、エコの代償と纏めるのは簡単でもいろいろと考えさせられる問題だ。


養殖と商品先物

先日金の偽造延べ板に触れたばかりで、これら一連の容疑者が見つかったとの事が大手紙に出ていたが、琵琶湖の方では本物の金の延べ板等を靴箱に隠していた向きが逮捕されたとの報があった。

で、容疑は相続の脱税なのだがその額14億円以上という事で過去4番目らしいが、約32億円の対象額の形成が本業の養殖業に加えて商品先物取引であったという点が注目される。

先月も当欄で「宣伝媒体」としてFX取引の脱税に触れた事があったが、やはり「形態はともあれ一段と表面化する時代へ既に入っている。」と書いておいた通りこの手が出て来た点は注目だろうか。


農水族

周知の通り農水省には週明けからショッキングなニュースが飛び込んでいる。

奇しくもその農水省を退官したての新東穀取理事長も本日記者会見をしていたが、引き継がれたコメ先物やらシステム問題等々けっこう厳しい状況には変わりない。

取引所そのものが似たり寄ったりの会員を擁しシステムも統一性の無いものだらけで前途多難だが、個別商品の方もやはり?官?の圧力が及ぶ物の道のりは未だ未だ遠いか。


個別の事情

カウボーイも15日(火)付けで少し触れていたが取引員の2007年3月決算が厳しい状況となっている。

これを先取りしてかここ数ヶ月でも取引員株は可也調整していたのだが、業界関連では本日は先週触れたアストマックスが年初来安値を更新する一方で第一商品がこの株にしては纏まった買いでストップ高張り付きと爬行色の展開であった。

決算で左右されるのは何処も同じだが、取引員株については何度も当欄でコメントしている通りでやや他とは違う毛色がある。

一部の向きには或る程度情報も行き渡りいろいろと思惑が出来そうなものだがここにリクイディティーの問題もあり、この辺は昨今の取引所事情と皮肉にも似た物があるか。


指定席

さて今週は東穀取の理事長退任会見があったり、東工取の新専務理事就任の報道も目に付いた。

東穀取の理事長後任には元農林水産事務次官、また東工取の新専務理事には元経産省審議官とほぼいつもの指定席というコースであるが、先に東証が自主規制組織トップに元財務省事務次官を推した時に様々な物議を醸し出したのが記憶に新しい。

天下り人事もまた証券とは事情が相違する部分があるにせよ、先の経済財政諮問会議のワーキンググループでは監督官庁と取引所の関係を規律あるものにする為に、取引所への天下りを制限すると共に上場商品に関する主務大臣認可を廃止、取引所の自主規制に任せる等の抜本的改革が必要であるとしている。

市場間競争の厳しい状況を創造する機運が高まる中を、この辺が動かないことにはグローバルな流れから取り残されるのは必至と見られるが、その道のりは遠いか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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