88ページ目   商品先物

夫々の決断

先週末にはTOCOMが、三井物産Fの建玉が対面営業業務を引き継ぐ事となった明治物産に継承された旨の発表を行っていたが、これらの作業終了で業界から財閥系が一つ減ったことになる。

同様にリテール系ではひまわりシーエックスや北辰商品も売却等を先に表明しているが、経営資源の統合による収益体制や事業基盤の強化を画策する水面下の動きは依然多い。

これ以外にはコンプラやら何やら世間の要求通りに営業を続けるとなると到底収益が望めず、経営存続の必要性が疑問になって来るトコロなどは規模縮小が機械的に行われており近々にも各々の形で撤退表明がなされるだろう。

過渡期。


蓋を開けたら・・

週末のFUTURES PRESSて既報、カウボーイも本日採り上げているように主務省は取引員二社に対して行政処分を下してた。

うち一社は上場企業であった為にストップ安の洗礼を受け、約19万株の買いハナを消化出来ないオマケ付きで引けているが、特定商品高騰を囃して物色人気が一頃あっただけに残念というか甚だ遺憾な出来事である。

取引員株についてはその万年低PBRやPERの理由を以前にも当欄で指摘した事があったが、結局ディスクロに表面化して来ない不安要素が常に付き纏い、何かの切っ掛けで一気に表面化してくる怖さがある。

今後どの程度処分が出て来るか不透明な部分があるが、リクイディティー含めた収縮が懸念される。


何でもミニ化?

昨日全商連が発表した2月の商品先物出来高は前月比7.5%増加の636万546枚であり、金と大豆の伸びが大きく寄与した模様だ。

さて大豆といえば両銘柄共に循環物色の流れからか最近人気が高いが、東京穀物商品取引所の総取組高も昨年6月以来約8ヵ月半ぶりに50万枚を回復して来ている。

週初には東穀協会と東京穀物市況調査会が市況講演会を開催し、森実理事長自ら需給変動がより大きい時代に入って来る旨の講演をしているが、果たして本日あたりも非常にボラタイルな相場となっており前述の総取組高復調も相俟って力も入るところだろう。

ところでそんな折市場設計関係も諸説入って来ているが、何でも小さくすれば良いという右に倣えではなく独自性のあるものが今後求められよう。


廃止基準

昨日だったか農水省は取引が低迷している試験上場期間中の商品の取り扱いについて、各取引所が夫々設計変更等で市場振興するのか上場廃止にするのか検討する事が望ましいとの考えを示している。

確かに忘却されているうちにも日々は通り過ぎ、本年から来年にかけて試験上場の期日を迎えるのが4銘柄であるが、申し訳程度の取組を東穀のミールが持っているだけで他は取組がゼロである。

この辺も時事が載せていた通り、いろいろなファクターがあったもののリクイディティーの問題で日々値付け商いのみでいったい何時まで続けるつもりだろう?

新興株でも相当マイナーな銘柄であろうと取組ゼロとは考えられないが、無理やりキャンペーン等を張るくらいなら、こうしたところの上場廃止基準を参考にしてみても良いのではないか。


不信指標

本日の日経紙夕刊一面には「金21年ぶり高値」との見出しで、バリュー型の商いよろしく退蔵系の売却が嵩んでいるとの記事が出ていた。

この辺は文中の例でもそのスパンの長さから読み取れるが、曲がりなりにも原油安で株が高い等従来の教科書通りの材料に反した部分がある中をジリジリと此処まで上げて来ているのは事実で、単に国内事情の円安の恩恵だけでは無い感じがする。

潜在的なドル不信や、今騒がれている日興コーディアルに見られるような会計不信等々、つい最近も書いた不確定リスクの増大を静かにそして如実に表しているようにも見える。

やはり「誰の負債でもない金」はこうした時代には映えるか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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