優待取り珍事

本日の日経平均は手掛り材料難のなかを先物への売りが重しとなって1週間ぶりに9,700円割れとなったが、そんな中を年初来高値更新していたものとして私鉄大手が目立った。この私鉄大手といえば先週末の日経紙投資・財務面には「鉄道株、昨年来高値相次ぐ」として、期末控えのこの時期、乗車券などの株主優待や配当を狙った買いも入って東急が約2年4ヶ月ぶりの高値、増資で急落した東武も往って来いの戻りを見せるなど私鉄大手群がこのところ軒並み昨年来高値を更新している旨が載っていた。

さてこうした実弾で堅調な株もあれば、同じ優待狙い株でも需給で面白くなってしまう事例もいくつかある。一頃というか今でも「優待タダ取り」と称して、マル信でクロスを振って優待だけもらうという方法が一部証券会社のメルマガなどにまで紹介してあるのを見掛けるが、中には人気が付き過ぎて気が付いてみればトンデモない株不足になってしまうものもある。

例えば先月に年初来高値を更新した東京ドームなどはたしか数円の逆日歩が突如として付いていたと思うが、ココは60,000株以上で巨人戦指定席Aの株主証が手に入る。値もそこそこ低位だから60,000株程度なら安易にクロスする向きも居るだろうが、こんな逆日歩に遭ったらタダで手に入る筈の優待に数十万円のコストがかかってしまうという笑えない珍事も制度信用の場合は可能性があるということ。

まあ、今の時代昔とは違って制度を避けて一般やら他の派生商品を利用する手もあるが需給睨んで二階建てで両取りというツワモノも居るあたりがまたこの手の面白いところでもある。


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