冴えない低PBRモノの裏

さて、昨日は冴えない株式市場下では仕手系が乱舞との件を冒頭で触れたが、昨日のジーンズメイトと共に今週比較的派手に乱高下していたものにシャープがある。これも元々はルネサスや東電のようにマトモ?な株だったのだが、彼ら同様に経営不安から米S&Pや米ムーディーズが立て続けに短期格付けや長期格付けを投機的水準に格下げし後は貸借を読みながらの需給戦となっている。

ところで、これらエレクトロニクス産業等については今週の日経紙「一目均衡」でもその辺に触れていた。その冒頭では日本企業は多すぎるライバルとの国内予選でヘトヘトになり、世界に出ていく気力に欠けたとあるが今やあらゆる業界でその辺の清算を急いでいる。直近の古河スカイと住友軽金属工業が来年に経営統合するとの報などもそんなところだろうが兎に角メーカーが多過ぎる感は今更ながらである。

この両者の場合経営統合で年間100億〜150億円のコスト削減との合併効果の見通しを出しているが、比較的大型同士の統合はパナソニック等見るになかなか効果が見えてこない。またこの統合比率も住友軽金属1に対して古河スカイ0.346という事で当時の理論価格70円そこそこの試算から発表直後には住友軽金属が売られたが、BPS90円を超える同社もまたその株主もこれは忸怩たる思いだろう。

一頃のバリュー系は膠着相場下や立上がりで強さを見せていたものだが、最近は逆に低PBRの物ほど売られ方がきついようにも感じる。根底には成長性への疑問符があるのだろうが、上記のようなケース等も想定し相場が織り込みつつあるのだろうか?「一目均衡」文中の米経営学者の「凡庸な企業同士が漠然と一緒になっても規模の大きい凡庸な企業ができるだけ」といった言葉が印象的である。


関連記事

この記事のハッシュタグに関連する記事が見つかりませんでした。

最新記事

カテゴリー

アーカイブ