炙り出しと受け皿
さて、今から4年ほど前に当欄では「再来年から導入されるコーポレートガバナンス・コードで今後持ち合い株の最後のあぶり出しが促進される可能性が高くなるか」としたが、日曜日の日経紙には「持ち合い株27兆円」と題し、上場企業の持ち合い株が日本株全体の約596兆円の時価総額の約5%を占め約27兆円にのぼることが明らかになった旨が出ていた。
持ち合い株を保有する合理性が一段と問われるなか旧財閥系や多くの取引先を持つ向きなどを中心には未だこれだけの持ち合い株が存在するが、この辺に絡んでは同紙ランキングに挙がっていたリクルートなど政策保有株として保有する幅広い取引先からの売り圧力が俄かに高まっている旨を当欄でも書いた事がある。
末尾には企業の持ち合い解消に対する姿勢がガバナンス改革の代理変数を見なされるようになってきたと書いてあったが、資産効率性を高めてゆく機運のなかで上記のような株式を持たれている比率の高い企業としては今後その受け皿となるべく自社株買い等の政策が益々課題となって来ようか。