IPO受難

さて、今週は週明けまでJASDAQ平均が11連騰、マザーズ指数は6日続伸となるなど疑心暗鬼なマーケットにおいても新興市場の堅調が特に目立っていたが、背景にはこれらの市場に上場を予定していた新規企業が相次いで上場の延期や中止を表明した事で直近IPO銘柄への見直し買いが増加した事も一因という。

この新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けた相次ぐ上場延期や中止に関しては先の日曜日の日経紙一面にも「新規株式公開急減83件」と題し、2020年3月の上場件数は過去5年平均に比べて3割少ない83件と13年3月以来7年ぶりの低水準となり、今月に至っては東証に上場を予定していた9割の企業が中止するなど04年以降の最高を更新した旨が出ていた。

新型コロナウイルスが資金計画に影響を及ぼした例は他に自社株買いの中止等も出ているが、ベンチャーキャピタル等が未上場企業に出資した後にイグジットとしてIPOに伴う売り出しで資金回収、それを別に再投資という構図が市場を支えていたが先のソフトバンクGのファンド事業損失等を見るにベンチャー投資にブレーキがかかる状況の長期化が危惧される。

斯様な状況になれば上記のサイクルも滞る恐れもあるというものだが、兎にも角にも新型コロナウイルスが一服ないし収束しない限りは投資家へのロードショーもままならず対象各社としては別のファイナンスで活路を見出せるのか否かという感じだが、モメンタムの上昇もいずれにせよこの終息まで望めないというところか。


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