流行る?モラトリアム
本日の日経平均は小動きながらも3営業日ぶりの反発、そんな中でも一際目立ったのは三井住友FGの寄付早々のストップ高を始めとして、三菱UFJや他を引き離して東証全体の出来高トップとなったみずほFGなどメガバンク群の急騰であろうか。
メガバンクといえばこの夏場以降は、資本規制強化の流れからの大型ファイナンス懸念でなんともモタついた動きを強いられてきたものだが、こんな急動意の背景には本日の日経紙一面に載っていた通り、日米欧の金融監督当局で構成するバーゼル銀行監督委員会が、大手銀行を対象とする新自己資本規制の導入を実質的に延期することで大筋合意した旨の報道の影響が大きいだろうか。
同措置に関しては金融庁の慎重コメントもあって不透明感漂うものの結局のところ導入するのには変わり無く、マーケットがこのあたりを見据えるかっこうで選別色が強くなる可能性も残るだろうが、モラトリアムものでは東証も今週には上場廃止基準の緩和措置を来年12月末まで一年間延長すると発表している。
この上場廃止基準緩和については昨年も当欄で触れた事があったが、何かこの延命措置とも取れるモラトリアムも昨今の金融危機の規模を考慮すれば致し方ないとも思うものの、こう数を重ねて慢性化するようになるとゴーングコンサーン注記等も然程警戒されなくなるのではという別な懸念も出てきてしまうのは否めないところ。