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日本版ISA

月末の日経平均は305.39円高と3日ぶりに急反発、売買代金は2兆円を超え特に本日は野村アセットの上限2,000億円規模投信2本の設定があったのも後押したようだ。何れにしてもこれで月間ベースでは7ヶ月連続の上昇となり、上記の投信関係含めここからでもまだまだ個人資金の流入等が続きそうだ。

さてこの個人に関連しては、毎年100万円までの株式や投信等からのキャピタルゲインや配当について最長5年の間非課税にするという所謂「日本版ISA」が最近の話題になっている。来年からの導入を前に今年10月に口座が解禁されるが、三菱UFJFGなど早速同制度向けの専用投資信託を開発する姿勢を見せている。

その専用口座は当初4年間は1つの金融機関にしか開けなく、上記のような銀行グループ始め顧客争奪戦の様相となるかどうかだが、証券界の反応は販促費や手数料等々考慮するに下手をすれば持ち出しにさえなりかねず、中小など対面系ほどこの辺は今ひとつ及び腰というか乗り切れないというのが実情らしい。

業界総出で盛り上がるという機運にならないこの辺がある意味ジレンマだが、これで思い浮かぶのがETFか。これまた手数料など採算性の問題から似たような状況であったと思うが、「貯蓄から投資」を実現させるまたとない好機云々の前にこうした壁の存在もまた課題になってくるか。


機が熟す

昨日は財務相から政府が保有するJT株のうち約三分の一相当の3.3億株を来月中旬に売却するとの正式発表があった。幹事団に野村が入っていないのをみるに改めてファイナンスを巡るインサイダー疑惑の汚点が思い出されるが、その辺は兎も角も政府が一般への売却を行うのはこれで4度目。

その総額だが今の時価から換算するに約1兆円に迫る規模となるが、当然今年度で最大規模となる見込みで前回のNTT株売却が思い出される。これだけの吸い上げだけに市場への影響を気にする声も聞こえるが、自社株買取状況や今のボリューム如何で受け皿十分との声もあり蓋を開けてみてといったところか。

胸算用といえば、東日本大震災からの復興財源に計上したのは5,000億円となっているが、この放出報道で直近急落した経緯があったとはいえそれでもコアの一角だけに、アベノミクスによる株高効果から当初見積もっていた額からは倍増と大きく上回る。他の経済効果含めこの辺は実に政策の力を感じる。


今年は何社

米市場が休場とあって本日の株式市場は手掛かり材料に乏しい中を小動きで推移し、東証一部の出来高は26億株と今年初の30億株割れとなっていた。後場は凪のような状態で、結局値上がり1075銘柄、値下がり496銘柄、変わらず128銘柄であったが新興市場など依然として値動きは荒い。

今年一発目のIPOとなったメドレックスなどがそんな例で、公募・売り出し価格の2倍以上にもなる買い気配値を切り上げ初日には値が付かない人気で昨日には3,560円の年初来高値まで急騰したものの一転して本日は2,515円の安値引けと急落、また次に続いた買取王国も然りで初値2,000円から翌日には3,000円まで急騰し本日は安値2,206円と往って来いである。

未だ赤の企業で回転が急がれるのは想像に難くないが、先に上場していたミドリムシ生産のユーグレナ等はこれらのIPOの時にはストップ安まで売り込まれその背景には換金の用もチラつく。ところでIPOといえば今年は60社〜70社との予想が多いが、アベノミクスで地合いが劇的に改善されてきているだけに今後のIPOインデックスがどう推移してくるかこの辺にも自ずと関心が向かうところ。


delemma

本日の日経平均は円安一服と加えて昨日の急騰の反動もあって反落。しかしその中身は依然としてメガバンクや自動車等の主力が堅調で、日経平均の106円安というよりは逆に106円高といった体感温度というところではないか?

今まで書いてきたように地合や規制緩和も奏功して個人投資家の株式売買が活況を呈しており、昨日の日経紙ではネット証券大手の7社には個人マネーの流入が続き1月の株売買代金合計は計19兆4,740億円と昨年12月に比べ86%増えた旨が出ていたが、一方で週明けの同紙には大手証券会社ではこんな株高の高揚が乏しい旨が一面に載っていた。

個人の大半は上記のようなネット系に流れ、あまり利益にならない日本株営業には力を入れていないところに起因するという。そんなワケで副題にもあるように主力銘柄のコードさえ知らない営業マンが居るというが、今はネット系でもコールセンター等01コードでさえ知らない向きが居るのに私も出くわした事がある。

ここ最近の大商いは昔だったら笛吹きも多発しただろうが、こんな死語も更に彼らには化石だろうか。まあその辺はともかくもこのような大手は手数料率が高いことから投資信託に力を入れてきたというが、これまた営業姿勢の問題から運用側と販売側とのジレンマの戦いとなっている模様。プライマリー営業の影では未だこうした構図が浮かび上がるが、そろそろこちらも転換の時を考えるに好機ではないか。


セカンダリー上場

本日の日経平均は金融緩和発表後に乱調となり小幅続落に終わったが、このところの高下では日経平均への高寄与度銘柄も同様にボラタイルな展開が目立ち裁定中心の値幅構成という一部も垣間見られる。ところでこの高寄与度の中でもダントツの寄与度を誇るのはファーストリテイリングだが、同社が年内にも香港市場への上場を計画との報が伝えられている。

香港市場に上場している日本企業といえば一昨年のSBIHD、そして昨年当欄でも取り上げたパチンコ業界のダイナムが記憶に新しい。前者の場合は東証で既に存在していることで当然ながらセカンダリー上場だが後者の場合はプライマリー上場、香港はセカンダリーの場合預託証券形式となる。

こうした形式の場合低リクイディティーがネックになる懸念もあり、寄与度も高いだけに同時上場となった後の影響度等はどうなのだろうかというのも気になるが、何れにせよダイナムの上場でより一層関心が向かう事になったのも事実。市場から一旦消えていったMBO組も関心を示しているところがあると聞くが今後の動向に注目である。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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