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本日の日経平均はアジア株高を背景にしたカバーもあって小幅ながら6日続伸となったが、その中でもやはり目立っていたのは先週末に上場したものの初日は買い注文殺到から値付かずで、漸く昨日公開価格の9,500円の2倍超となる19,100円で初値を付けたクックパッドだろうか。

三日目の本日は後場からストップ高に張り付いてまさに破竹の勢い、まあ話題性においてもこのクラスは昨年やはり当欄で取り上げたサニーサイドアップ以来ではないか。当時まさか?の初値公開価格割れから一転ストップ高の連発となった同社株の覚えからか斯様な人気となったのか、はたまた200%を超える成長率を買った格好なのだろうか。

昼休みに此処を見ているOLも多いがユーザーの殆どは女性、その増加率も半端ではなく食材の購入やら他に関しても女性陣のパワーは恐るべき影響力を秘めている。食関係の広告市場としては5,000億円を超える規模でありこうした点、まだ伸びしろは大きいだろう。

さてこのマザーズ含めた新興市場のアウトパフォームぶりがここ目立っていたが、七夕あたりをピークにスワップ絡みのショート説もあって一服。戻り急とはいっても山高ければ谷深しの返しなのだろうが、以前にも記したように底打ちからの反転期は先ず金融系、そしてこの新興市場がキー、高PER高PBRでも説得性のある成長企業を今後どれだけ誘致できるかが焦点か。


強者連合

今週気になった出来事といえば、やはり週明けに各紙で大きく報じられたキリンとサントリーという食品大手同士が経営統合を進めているという報道か。これで戦後続いた大手4社体制が崩れコカ・コーラを抜く大手誕生としているが、さて合従連衡が同業界他社の再編を促す事になるや否や。

このサントリーといえば三年くらい前だったか、「社是転換」として従来の非上場大企業路線から上場へと踏み切った出光興産を書いた時にこの類としてサントリーを挙げた事を思い出したが、これもとうとう実質的にはれて上場という形を取った事になる。

強モノというパターンでは昨年の新日石と新日鉱HDの経営統合があるが、これらはその脆弱な部分がある収益構造や国際的競争を睨み将来のメジャーという観点から踏み切られたもので、そうした意味合いからは統合後売上高は互角になるという外資よりもその最終利益がかなり劣るというこれも似たようなパターンか。

今迄挙げてきたモノにはオーバーストアという構造的な問題から業績不振がトリガーとなって再編が進行したという部分が大半だが、08年12月期決算で最高益を達成した両社の統合は上記のオイル系のように予兆があったものが更に他業種に広がってきた表れともいえる。


思わぬ弊害?

本日も日経平均は辛うじて続伸、しかしここ直近は昨日も一部触れたように環境関連モノも9連敗していた日経平均に歩調を合わせて値崩れが酷かった。漸く一服ついて続伸しているこれらの指標格のGSユアサも、つい一ヶ月前の高値1,200円台から昨日はあわや約半値水準の600円台を示現、環境双璧?の明電舎も先月の600円台の高値から週明けは400円を割ろうという勢いと正に崩落であった。

しかし電池バブルだか環境バブルだかまあよく此処まで伸びたモノだとつくづく。そうそう、他に電池モノで三洋電なんぞも例外なく株価が必要以上?に上昇してしまってこのままTOBが上手く運ぶのだろうか?確かこの辺は昨年のクリスマス頃に当欄で取り上げた覚えがあるが、さんざんとG・Sがゴネたものの上場来初の赤字という背景もあって100円そこそこで合意というか妥協した経緯から今は200円の大台替りである。

折しも直近でG・Sは第二Qの最終益が65%増になったと発表、輝きを取り戻した勢いでまた何かゴネて来ないか失礼ながらそちらの方に興味が湧く。斯様に最近で放り上げに使われたテーマはレーザーレーサーやら新型インフルやらあるが、これら普段から優良株なら兎も角そうした部分では疑問府が付く。

だからこそカラ売りも膨らんで取組妙味も出て来るのだが、昔と違って最大に溜め込み拮抗したところで大量現引きから逆日歩責めとか、何しろ担ぐ特定筋も居ないし当局も早々に潰し?に入るので逆に連日の売買代金上位が後々仇になる部分の方が強い。老境に入った物はまた別の使い道も出てこようがさてどうなるか。


時価総額下克上

さすがに9連敗していたこともあって本日の日経平均は10日ぶりに自律反発であったが、直近まで元気印であった銘柄の戻りに期待する向きは多く、この辺の高下でまた業種内での時価総額も変遷してくるのだろうか。

この辺に関しては先月末の日経紙に時価総額、相次ぎ逆転と出ていたように、テーマ別に堅調組・苦戦組と売上規模で数倍違うもの同士の時価総額の逆転・肉薄する銘柄が数多出ている。

ざっと挙がっていたのは環境からはGSユアサとマツダ、食品や生活からは王将フードとロイヤルやファーストリテイリングと百貨店4社、そしてブックオフと丸善、固定客からはキーエンスと日立、近鉄とJR西日本等々がそれだが、そうそう春先には03年に実質国有化されてから初めてりそなHDの時価総額がメガバンクの一角のみずほFGを上回った事が話題になっていたのも思い出した。

時価総額もそれならこうした現象が賞与にも出ており、ダイヤモンドでは新日鉄の賞与を子会社の大阪製鐵が上回っていた事を珍事として取り上げられたりもしていた。こうしてみると株に限らず昨年の金と白金の逆転現象など、商品まで含めてこれらは世相を反映した期待や構造変遷の表れとつくづく感じる。


デリバティブ性悪論

日曜日の日経紙特集では、検証・グローバル危機としてレバレッジの話がいろいろな視点で書かれていたが、そういえば週末にはガイトナー米財務長官が、金融危機の一因となった複雑な仕組みのデリバティブを扱うG・SやJPモルガンなど大手ディーラーに対する監視を大幅に強化するよう求めたばかり。

本来はこうした主力のプロがヘッジを掛けるからこそ市場からアラームも感じ取れるのだが、結局は過剰流動性と共にデリバティブを複雑に埋め込んだレバレッジの増殖が雪崩れのトリガーになった部分もあろうし、権限一任とか使う方の不備も問題があろう。

クラッシュした後は何時もの事ながら警告論が生かせなかったとか、デリバティブ性悪論が彼方此方で喧伝されその当たり先も規制という方向へ靡いてしまうもので、昔もバブル崩壊後などボロボロになりつつあるとき時の政府が先物手数料を倍にしたり、最近ではカラ売り規制なるものが台頭したりと記憶にあるが、リスク回避という本来の手段を雁字搦めにしてしまう事がはたして市場に取って健全な措置なのか熟考が望まれるところだろう。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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