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素材と腕

なんでも地上げ等という懐かしい言葉がまた登場し、上場している渦中の会社は連日のストップ安となっているが、暫く経つとまたインサイダー疑惑とやらの話が出て来るのであろうか?

インサイダーといえば週明けの日経一面には、新日本監査法人の公認会計士がインサイダー取引をしていたという疑いで調査との記事があったが、大手監査法人に所属していた会計士が摘発されるのは初とか。

もっとも当の公認会計士、その戦果といえば公表されているものではマイナスのものもあり成績は冴えなかったとか、残念ながらインサイダーに抵触する情報に頼った売買でもこうしてマイナスを出すケースは意外に多い。

発表するタイミングの問題からその後の変動でヤラれおまけにネタが立ち消えになったケースや、取組が薄い中で関係者の売りが嵩んでしまい逆日歩で殆ど喰われてしまったパターン等々、面白い事例は幾らでもあるがインサイダー取引とはいえやはり儲けるにはそれなりの読みが要求されるのは当然なのである。


総合への模索

さて一昨日記の通り東工取と包括的な相互協力協定を結んだ大証であるが、大証といえばもう一つ、米国のオプション取引所であるISEと共同で売買システム会社を設立し来年にも株式オプションの新市場をスタートさせる見通しと報道されている。

株式オプション自体はご存知既に存在しているが、売買高の伸び悩みという問題を抱え今回のシステム導入で利便性を高め市場活性化を図る狙いとかだが、海外取引所の日本進出はナスダック・ジャパン以来となる。

肝心のニーズという点で見ればワラント等の類似性を持った物の状況から勘案するに投資家の潜在性は可也あると思うが、今後のマザーマケット争いとなると東証あたりは同どう動くかである。

ところでついでに東工取のオプションも久し振りに見てみたが、年末にとうとう無くなってしまった取組が依然としてゼロのままであったがこれは何時まで放置されるのだろうか?


コンサバ日本

シンガポールからファンド関係のマネジメントをしている知人が来日しているので一寸お茶を飲んだのだが、最近では政府投資公社がモルガンから恵比寿のウェスティンホテルを買収したりの動きもあって今後の興味深い話もいろいろと聞かされた。

さて日本は週末から自民党内で政府系ファンド創設の是非を検討する議論が始まっているが、年末に当欄でも投資の障壁として書いたように額賀財務相あたりは高いリスクを背負うことになると一貫して慎重論を説いているのが現状。

たしかに直近では中国が投資した米ブラックストーンでいきなりヤラれたのを目の当たりに見ているだけに解らないでもないが、既に財務省発表の外貨準備高は過去最高を更新し1兆ドル突破が濃厚となっている折、このまま特異ともいえる閉鎖性を維持すれば資本離れと共にまたも取り残される流れは明白、選択肢は幾つも存在するはずだが。


慈善外?

各紙で報じられていたように、あのウォーレン・バフェット氏がモノライン数社に対して支援を申し入れたとの報を好感し、本日の日経平均は序盤こそ好スタートを切ったが後場は先物で潰され結局は小幅高に止まって引けた。

一連のサブプライム関連でもこのモノラインの格付けが問題視されていただけに、この維持さえ出来れば枝葉の部分も維持されるという構図で期待感が出てくるのも自然なところだが、当のモノラインでも巷で噂されているアムバック等は受け入れ拒否の構えとかでこの辺は推移を見守る必要があろう。

さて今回の金額は最大で8,000億ドルと実に大盤振る舞いだが、気になるのは今回の再保証提案対象になっているのが最上級の格付けを持つ地方債のみという点、再保証料は可也割高なコストになるという話も出ておりリスク資産は全く眼中に無い。

数兆円をポンと財団に寄付する慈善家の同氏、LTCM破綻の救済の時は不発に終ったがさて今回はどうなるだろうか。


Scapegoat

国土交通省が今国会へ提出を予定している空港整備法改正を巡って空港会社への外資規制を導入する方向になっている事について、本日の閣僚後の記者会見にて渡辺金融・行政改革担当相は金融担当相として改めて反対だとの見解を示している。

これに関連する話題としては昨年オセアニアからヨーロッパまで幾つかの空港の大株主になっている「マッコリー・エアポーツ」が、日本空港ビルディングの大株主にも登場し買収防衛策発動に微妙な保有比率で止めているあたりが思惑を呼んだものだが、まあダボス会議でいろいろとIRして来た矢先だけに解らないでもない。

ただ結局の場合、自分に都合のよい天下り先である器が買収された場合、後々利権が効率化の名のもとに侵されたくないというところが本音で、安全保障の問題云々はいいように使われているようにも見える。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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