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ライオンズTOB

本日の株式市場は先週後半の急落に対する自律反発期待からの高寄りの動きもむなしく寄り後には早々に値を崩す展開となったが、そんな中で1,300万株もの成り行き買いを残して比例配分のストップ高で引け異彩を放っていたのが大京株であった。これは周知の通り先週末にオリックスが同社に対してTOBを実施すると発表しその価格にサヤ鞘寄せしたもの。

オリックスと一体化する事で住居と商業施設を一緒に開発するような案件で共同入札に動き易くなるなど相乗効果が見込めるというメリットも出て来るが、しかし大京株といえばバブル期には度々乱高下を演じ一頃は仕手株扱いの時期もあったものだが、そんな懐かしい一幕も時を経てTOBによって市場からまた一つ消えゆく。

さて、支援を背景に株式を大量保有するパターンは上記に限らずよくある光景だが、例えば伊藤忠商事による事前予告無しのデサント株買い増しなど周りがザワつき始めたケースも出て来た。7月以降3回にわたって買い増しをはかっている模様だが、特別決議を単独で退けられる拒否権を持てるまでもう指呼の間というところで、元々は長年協力してきた関係だがこちらはどういった幕引きになるのかこちらも注目が怠れない。


余震継続

昨日は不気味に下げ幅を拡大させながら急反落を演じた日経平均だが、本日の日経平均は上海総合指数を睨みながら高下した末に反発となった。昨日もそうだがこのところ日経平均はボラタイルな展開になってきており、本日の日経紙にも「日本株、振れ幅激しく」と題しこうした現象が顕著になってきている旨が書かれていた。

当欄では先週初めに「VIXの余震」と題して、リスク・パリティ型ファンドの売りなど需給上の要因からショック安も増幅されている側面も最近では顕著になってきており、世界的な株安連鎖の後ではVIXの余震がどの程度まで続くかと末尾で書いておいたが、同指数も依然として節目の20を挟んでの往来を演じている。

また日経平均も予想変動率を示すところの日経平均VIが前日比で2割ほど上昇したのをはじめとして、香港市場のハンセンボラティリティ指数も急伸するなどなどアジア主要市場も増幅装置がピリピリとした動きとなっているが、サウジアラビアを巡る地政学リスクがまたぞろ台頭し余震に身構える動きはまだしばらく終わりそうにもないか。


VIXの余震

さて、先週末12日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4日ぶりに急反発、世界的な株安連鎖には歯止めがかかったかと思ったのも束の間、週明け本日の日経平均は日米貿易協議を巡り米国が通貨安誘導を封じる為替条項を日本に求める考えを示した事を受け、投資家が警戒を強めた事から再度急反落となった。

世界的株安の連鎖といえば今年2月の光景を思い出すが、先週末の日経紙には「恐怖指数 株安を加速」と題し、今回の株安の根底には投資家の不安心理を映すとされる「VIX指数」の急騰というメカニズムがあり、同指数に連動する形で運用している一部ファンドから機械的な売りが出た模様とあった。

急落した先週11日には国際のVIX短期先物指数が5日続伸し一時17%高まで急騰する場面があったが、週末の一服から本日も再度急反発となっている。今年2月のVIXショックも記憶に新しいが、この時インバースVIX短期ETNが一気に約17分の一まで急落したほか、東京市場ではNEXT NOTES S&P500 VIXインバースETNも早期償還でその姿を消している。

斯様な組成モノが牙を剥くのも近年の特徴だが、上記の通りリスク・パリティ型ファンドの売りなど需給上の要因からショック安も増幅されているという側面も最近では顕著になってきており、世界的な株安連鎖の後ではVIXの余震がどの程度まで続くか投資家も戦々恐々となる。


裏口上場未遂

さて、連休明けの日経平均は米長期金利上昇を背景に警戒ムードのなか上海総合指数の急落や円高を受け大幅に4日続落となったが、個別でも先週末の株主総会を睨んで乱高下を演じた末のストップ安に続く大幅続落で目を惹いたのが東証二部外のビート・ホールディングス・リミテッドであった。

この株、仕手系好きな向きには新華ファイナンスといった方が解り易いと思うがこの会社、今年の6月に香港の仮想通貨会社ノア・アーク・テクノロジーズから新株予約権発行で同社の議決権の約50%持ち分保有等の株主提案を出されるなど事実上の買収提案を受けており、賛同に難色を示す同社に対し買い増して筆頭株主に躍り出るなど両者の行方が注目されていた。

結局は先週末の臨時株主総会でノア側の株主提案が否決されることになったが、仮にこれが適った場合は金融庁も認めていない仮想通貨業者の上場が実現してしまったワケでこの辺が一際注目されていた所以でもあった。日本の資本市場で外国勢同士が絡んだ降って湧いたような攻防劇も一先ずの終結で東証の緊張もホッと一息というところだろうが、まだまだハコになりそうな企業を虎視眈々と探す動きは続くか。


IPO終盤戦

本日は保険クリニックブランドのアイリックコーポレーションが東証マザーズ市場へ新規上場の運びとなり、仮条件が目論見書記載の想定発行価格を大きく上回る水準に設定された案件だったわりには注目された初値は公開価格を25.8%上回る2,226円とそこそこという感じであった。

今月のIPOといえば上旬に上場した子供服のナルミヤ・インターナショナルの公開価格割れで3月から続いていた連勝記録が37でストップとなったが、新興株市場の牽引役と期待された先に公開のメルカリなどの大型案件も先週は年初来安値を更新しほぼ公開価格まで往って来いとなるなど冴えない展開となっている。

メルカリと同じマザーズ市場では先週に遊休不動産活用の駐車場サービス業であるアズームも新規上場の運びとなり、注目の初値は公開価格の2.1倍となりその後ストップ高まで急騰する場面もあったが、以降連日の続落となっており上記の件も含め個人も早々に利確する動きが顕著になってきている感も否めないか。

こうしたマザーズなどの新興市場はIPOを起点にした資金の回転が要となるが、短期志向が強くなりIPOインデックスも低迷となると資金の好循環も生まれにくくなる。今週も週末には上記のナルミヤ同様の再上場組ワールドのIPOがあるが、引き続き個人の資金を惹き付け続けるのかどうか今後の後半戦も注目したい。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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