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新形態対応

本日の日経平均は反落となったが、その一因にもなったのが東証マザーズ市場の総崩れか。周知の通り昨日から同市場でダントツの時価総額を誇っていたサンバイオが、新薬開発で地検結果が主要項目を達成出来なかったとの発表で急落した影響で他の創薬ベンチャーも総崩れ、先物は昨日引け後に続いて前場にサーキット・ブレーカーが発動された。

またメルカリやミクシィなどの超高寄与度にまで波及した事でマザーズ指数は取引時間中として15日以来となる900割れまで崩れたが、同指数先物のサーキット・ブレーカーが発動されたのは前回が昨年2月のVIXショック時であるから、改めて新興モノに集中した信用絡みの個人マネーの巻き戻しの怖さを見た感じである。

ところでサーキット・ブレーカーといえば、HFT業者など新たな投資家の存在感が高まっている事に対応し東証は連続的約定気配を見直した制度を年末にも導入する方向だ。同時に大引時売買の成立値幅拡大も検討しているというが、上記の時価総額偏重や急増するHFT業者の台頭等々それに対する対策も都度要求されるマーケットになってきた感がする。


安値引けの船出

昨日末尾で、「とりわけ明日のソフトバンクはいろいろな意味で注目されるところである。」と書いたシフトバンクが本日はれて上場となった。兎に角マーケットからの吸収額は約2兆6400億円と過去最大IPOであったが、その注目の初値は公開価格1500円を2.5%下回る1,463円となり引けは14.5%下回る1,282円とある程度予想されていたとはいえ低調なスターとなった。

しかし今回のケースはまさに災難というかファンドでタッグを組んだサウジの皇太子も例の事件で国際的なザワつきに遭うという悪地合いのところに、大量に機器を導入しているファーウェイ社の副会長逮捕、時を同じく挙げ句には大規模な通信障害がブックビルディングを挟んで勃発とまさに逆風下でのIPOとなった。

そういった意味ではこれでも初値はなかなか健闘したともいえるが、この寄り値で異様な纏まった指値が這わされていた背景もいわれ主幹事絡めいろいろな思惑も出ていた。ともあれただでさえ親子上場の批判が燻るなか今後はこれを踏まえた高水準のガバナンス体制と併せ成長シナリオをどう描いて行くか、この辺が投資家の裾野を広げる意味でも焦点となってこようか。


IPO2018

本日の日経平均は景気減速懸念が強まり急反落となったが、そんな中でマザーズに新規上場となったテクノデータサイエンス・エンジニアリングは公開価格の3200円を98.4%上回る6350円で初値を付けた後も高値引けと好調なスタートとなった。一方でジャスダックに新規上場となった田中建設工業は公開価格を7.1%上回る初値形成後に一転して売り物となり引けは公開価格を下回った。

マザーズ、ジャスダック両市場共に3日続落となるなか明暗分かれた格好になったが、IPOといえば本日の日経紙総合面には「株式公開活況91社に」と題し、今年の国内市場のIPOは活況が続き上場企業数が91社と過去10年で2番目の多さとなってその資金調達額は約2100億円と前年の2.3倍に拡大する旨が出ていた。

反面一頃は上場ゴールなる言葉も流行った時期があったが、今年既に上場した78社のうち8割弱にあたる60社の株価が実質ベースで初値比マイナスと冴えない展開になっている。知名度がダントツのメルカリも今日は上場来安値を付けはや株価はそろそろ三分の一というところだが何れにしてもこれで年内の上場予定は残り11社、とりわけ明日のソフトバンクはいろいろな意味で注目されるところである。


利便性向上の功罪

さて、昨日の日経紙には株式の取引において個人投資家でも1つの大口注文を自動で幾つかに分割して出したり、指値の気配値が出るまでは注文を出さず気配が出たら即時に発注できるようにするなど、アルゴリズム取引の一種で売買注文が効率的に成立し易くするなどプロの機関投資家並みの注文方法を利用できる仕組みの導入が相次いでいる旨が書かれていた。

思えば黎明期のホームトレードなど出た時は自身で注文が出来る事自体が衝撃であったが、板にしても先ず電話して担当営業マンに見てもらうか店頭に置いてあるクイックでくらいしか見られなかったモノが、ネット証券の台頭で目の前に並ぶという夢のような状況になり手数料も信じ難いほど安くなった事も上記のようなモノが出て来るともう昔のような錯覚に陥る。

一方でリアルタイムに板状況を確認出来るフル板の引け成り情報などを悪用し株価を操作して鞘抜きしていた輩が、証券取引等監視委員会から金商法違反の偽計取引にあたるとして、課徴金納付命令を出すよう金融庁に勧告されていた旨を週明けの日経紙で見掛けた。飛躍的な利便性向上のバイプロ?でこうした輩も排出されるようになったが、懲りない面々は日々次の悪知恵磨きに余念が無くいたちごっこの構図は変らない。


今年最大のIPO

本日の日経紙一面を飾っていたのは「ソフトバンク投資会社に」と題し、ソフトバンクグループが昨日東証からIPOの承認を受けた旨の記事であった。12月10日に正式価格を決め19日に東証に上場のはこびとなる予定だが、その証券コードはかつての日本テレコムの(9434)と懐かしい。

今年8月には当欄でも新たなベンチャーファンドと題し、「〜ソフトバンクグループも投資会社としての色合いが一段と濃くなってきた感もある。」と書いていたが、果たして今回の上場で携帯子会社の経営を独立させると同時に、本体としてはやはり投資会社としての性格を強めてくることになるか。

さて、親子上場という長年の日本の特異な慣行にあってその上場後もグループが6割強の株式を保有する筆頭株主に君臨する訳でいろいろと東証もジレンマがあっただろうが、JPXの自主規制法人が上場承認した背景にはソフトバンクの経営の独立性は担保されているとの判断があったのだろう。何れにせよ逆風下の成熟市場で、今後投資と配当のバランスなどどう図ってゆくのかが注目される。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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