73ページ目   株式

ランキング売買

昨日に続いて本日も日経平均は大幅続伸となったが、そんな中でやはり値嵩の任天堂などは目立つ存在。先週末からスマホゲームのポケモンGOの人気が業績に寄与する期待を膨らませ、昨日も先週末の余勢を駆ってストップ高まで買い進まれ、更に本日も大幅続伸で年初来高値を更新している。

このポケモンGOだが、米アプリストアでは売上高・ダウンロード共に1位、アンドロイド端末向けでは1日あたり利用者数がツイッターに肉薄というからたいそうな人気だが、これによって僅か数日で時価総額が1兆円近く変動するというから凄まじい。その辺は兎も角もスマホゲームに全く縁も興味もない向きも稼ぎの為には最低限の知識が求められる時代になってきた。

アナリスト的には従前の据え置きから旬なスマホへと軸足が移行する期待云々と始まりそうだが、そんな能書きより今や指標になってしまったゲームランキングを頼りにイナゴが群れる様はガンホーが全盛の頃よりも更に顕著になってきている感があり、目先で逃げる脆弱さも同時に露呈している。


コメダ上場

さて、本日はコメダ珈琲店を擁するコメダHDがはれて東証一部に上場となった。注目の初値は売り気配からのスタートとなりシンジケートカバーによる売り買い一致で公開価格1,960円を4.7%下回る1,867円となった。

同じく揃って本日の上場を果たした実質再上場のソラストと共に公開価格割れとなるスタートとなってしまったが、公開価格の1,960円から試算したPERは19倍強と同業の東証一部ドトール・日レスHDの約15倍や、東証一部のサンマルクHDの約14倍などと比較した割高感がやはり警戒された部分も大きかっただろうか。

とはいえ業態はコーヒーそのものに重きを置くというワケではないので上記二社ではサンマルクにより近いといえるが、大きなポーションが珍しがられる以前から時々利用してきた経緯があるだけに個人的にはどことなく愛着もある。ROEはブレが目立つもののEPSは伸びてきており株価と共に今後に期待といったところか。


新興アノマリー?

さて、先週末の日経紙マーケット面には「格言通り?新興株急落」と題して、春先から急騰した東証マザーズ指数の先導役であった創薬ベンチャ−のそーせいグループ株が25%下げ、連れて指数も急落した旨が載っていた。特にマザーズ市場の5月は成績が悪く「セルインメイ」によく当て嵌まる事で今年も格言が使われ易いか。

ところでマザーズの代名詞ともいわれるそーせい株だが、JASDAQ-TOP20のETFでいえばかつてのガンホー株のような存在になりつつあるといったところで、それもそのはずその時価総額はマザーズ指数の約2割に達するなど銘柄別で最大な事に他ならない。ガンホーは実に5割(ETF)に達したが、これも新高値を更新如何では当然占有率も変化してくる。

日本取引所グループは傘下の大証が来る次期売買システムの稼働に合わせマザース先物を上場する予定で、同社株にもこれに先駆けて先回り買い等も入っていたとの指摘も一部あるが、これに続くミクシィやサイバーダイン等々時価総額上位10社で全体の半分近くを占めることになる。225と違って個別の規模が異なるだけに、一方で裁定のオペなどどうやっていくのか今後も興味深いところである。


新興サイダー

週明けの日経平均はザラバで200円以上高い場面があったが、そんな中で終日ストップ安気配から比例配分でひときわ目立っていたのがマザーズ市場のALBERT株か。これは周知の通り同社の元会長が同社株を保有する親族らに業績予想下方修正を公表前に伝え損失回避させていた疑いがある事でこのインサイダー容疑が嫌気されてのもの。

明らかな下落を確信しての取引でインサイダーでは空売りをかけるのと同ケースとなろうが、過去には破綻準備中に周辺から漏れた情報で個別貸借銘柄の空売りが横行し、比較的最近ではファイナンス実施のヒアリングから漏れた情報で対象銘柄の空売りが大規模に行われた件が問題になって情報伝達者も行政処分や刑事罰対象となった経緯がある。

金融商品取引法違反といえば直近ではもう一つ、インサイダー取引ではないものの東京地検特捜部がジャスダック市場の夢の街創造委員会の創業者を2年前に同社株を相場操縦した疑いで任意事情聴取している事も報じられている。双方共に新興市場だが、昨年日本取引所は上場時審査厳格化等を打ち出している。果たして上場後のセカンダリーにおいても新興モノもこうした問題は起こり得るが、当事者意識に委ねる次第であり完全な防止策は無いか。


情報格差

さて2016年1〜3月期決算の発表が今週から本格的にスタートするが、この決算情報を巡って先週は証券取引等監視委員会が外資系大手のクレディ・スイス証券を、上場会社が公表する前の決算情報を自社の営業員らに伝えて顧客を勧誘するなど重要情報の管理体制に不備があったとして、行政処分するように金融庁に勧告する方針を固めていた。

クレディ・スイスで同じようなインサイダーの一件として思い出すのは、かつて香港のトレーダーが住友軽金属のCB発行時に事前に同社株をショートしたとかで摘発された事があったのを記憶しているが、最近ではドイツ証券も今回と同様な件で昨年12月には業務改善命令を出されていたなと。

これが主因なのかどうか、クレディ・スイス証券は毎年2回アナリストらが行ってきた機関投資向けの企業の業績プレビュー活動を中止する意向を示している。野村など国内大手でもアナリストが業績動向について企業から詳細を直接取材し決算プレビューに反映することを自粛する動きが広がっているが、改めて一般との情報格差が感じられる一件でもあるか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

カテゴリー

アーカイブ

2025

7

1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31