投機マネーの居場所
本日は一寸書店に向かう際に、近所のビルに入っていた某ヘッジファンド会社の看板が消えていることに気付いた。はて移転したのかはたまた?とあれこれ想像していてフト頭に浮かんだのが、週末の日経紙にて「ヘッジファンド1.6兆円流出」として世界の投資マネーがヘッジファンドから資金を引揚げ始めている旨が載っていた件。
ユーリカヘッジによれば9月の資金流出額は210億ドルと前月の6億ドルから急拡大し、約2年半ぶりの大きさになったとしているが、夏以降の相場モノが急激に悪化した影響が大きかった模様だ。この辺は直近でもサブプライム問題に絡んだショートで一躍有名になり、まさに飛ぶ鳥を落す勢いであったジョン・ポールソン氏のヘッジファンドが50%近いマイナスを出しており、その顧客流出に絡んだ思惑が一寸した話題になっていたのは周知の通り。
先週も書いてきたが、国内でも週間を通じて東証一部売買代金が9,000億円にも満たない超薄商いで十分なリクイディティが提供されていた時期がもはや懐かしい。これでは動きようもないが、株の方もファンドの名前が挙がっても株価が反応するのはほとんど一日天下、バリュー系でじっと抱いている向きはあるもののアクティブ系は近年目立った姿を見ていない。
ところでちょうど1年前に当欄では「買収ファンドも順次撤退」として、日本で活躍する外資系企業買収ファンドの撤退が目立つ旨を書いたが、お国事情で弾かれその後も市況環境悪化とこの1年で投機マネーの居場所がますます狭くなった感がある。ここへ来てあのジョージ・ソロス氏やカール・アイカーン氏も顧客資産を返還し表立った活動から隠退?表明をしているが、両者「何が起きるか分からない」としている通り民主化デモ一つ取っても既に激動期、まさにブラックスワン時代である。