政府と胴元の姿勢
先週末の総会で政府税制調査会は2012年度税制改正大綱を決定,日経紙でも消費増税控え「場当たり」と出ていた通り各所で小手先見直しの寄せ集めで政治戦略の欠けるものであったのは否めない。暫く消費増税と社会保障の一体の改革など議論されてきたものだが、この消費税などそもそも一昨年の衆院選でのマニフェストには4年間消費税の話はしないと明記されていたものが舌の根も乾かぬうちに不退転の増税というから呆れる。
さてもう一つ、税制といえば金融系で最近気になったのは2013年12月末で期限が切れる証券優遇税制を延長しない方針であると首相が述べていることか。周知の通りもともとこれは株価低迷などへの対策として導入されたものだが、個別でも主力の株価が数十年ぶりの安値水準に低迷し売買代金も約8年ぶりの低水準まで落ち込んでいるこの期にこんな表明をするのは、税収にしか興味が無いというか単純に相場系には全く疎いということなのだろう。
また、当欄では先週の7日に「高速取引と規制」として、最優先の矛先を海外勢に絞込み個人は蚊帳の外で蔑ろにされている旨を書いたが、その二日後の9日には日経紙夕刊で大和総研の専務理事もこの高速取引を個人投資家にとっては近寄りがたい存在とし、超ハイテクとローテクの共存を如何に図りその中でいかに個人投資家の使い勝手の良い市場を提供していくかが最重要テーマの一つとしている。
この税制然り取引所運営然り個人に主眼を置いたものへ回帰するにはやはりお上の意識改革が焦眉の急、現状の陣営を見ていると心許なく産経とFNNの合同世論調査では内閣不支持率が51.6%と初めて支持と不支持が逆転、一方で東証は依然として海外投資家サマ様で海外向けに「Evolving Japan」なる広報誌を本日創刊しているようだが、内からの促進で対処療法の形しか取れない事から離脱できるのは何時のことになるのだろう。