なんでもデリバティブ
さて、昨日の日経紙国際面にはオバマ大統領による「バフェット・ルール」等に絡めた大統領選票の行方の話が出ていたが、4日付けの同紙にも「米大統領選 株価を左右」との特集があり大統領選が取り上げられる機会が増えてきた。ところで大統領選といえば、今月初旬にはCFTCが米デリバティブ電子取引会社ノースアメリカン・デリバティブ・エクスチェンジが申請した米大統領選を予想するデリバティブ取引を却下した旨も報じられていた。
この「大統領選先物」なるものについては、既に5年前の当欄で触れたことがあったが、CFTCの言うところの「政治イベントを証券取引の対象にするのはギャンブル性が高く、公共の利益にかなわない」との見方があるものの、この手は世論調査よりも更に実際の結果との乖離が少なくそういった面ではなかなか使える。この手の申請は監督側のさじ加減ひとつだがそれでも海外ははるかに品揃え多彩でなんでもデリバティブである。
変わったところでは生命保険証の売買まで可能で実際それなりにリクイディティもあるようだが、契約も解約より換金率が高いことから契約者との成約もし易く、その契約者の生死で運用利回りが決まるので外的なファンダメンタルズとの相関性がほとんど無いというのがウリなようだ。
この日本で変り種といえば今はせいぜい天候デリバティブくらいのレベルだろうが、上記のようなものが日本で解禁にならないものだろうか?まあ、そうなればそうなったで闇のビジネスもまた横行しそうだが、作ろうと思えば作れる商品ばかりで少しずつでもこの辺の枝葉が広がってゆくことを期待したいものである。