ノーベル賞思惑
さて、今週のビッグニュースはなんといっても2014年のノーベル物理学賞に赤崎勇・名城大学教授、天野浩・名古屋大学教授、中村修二・米カリフォルニア大学教授の日本人3人が選ばれた事だろうか。省電力でエネルギー消費の少ない青色LEDの発明と実用化に貢献した業績が認められたものだが、いずれも各紙の紙面を大きく飾った。
しかし、中村教授といえばすぐに思い出すのがLED発明当時に在籍していた日亜化学工業に対し発明対価として200億円の支払いを求めた裁判の一件か。結局これを大きく下回る額での和解となったが発明対価訴訟としては最高額となり、改めて我が国のインセンティブのあり方に一石を投じる一件となったのは記憶に新しい。
二年ほど前の当欄では「企業の事情も絡んでくるので一口にインセンティブの国際標準を考慮するのも難題」と書いたことがあるが、政府もこの辺に関して指針検討まで出たもののあらゆる業界でその待遇格差から人材・技術双方の流出脅威は燻る。
ところで株式市場もこの報からLED関連銘柄の中には物色されるものが相次いだが、既に普及が進んでいる分野だけに蒸し返し感も強く上値はいまいちといったところであった。そんな中でまさに今が旬を迎えている銘柄が同じノーベル賞でも文学賞関連で、中でも書店大手の文教堂は本日で3日連続のストップ高と急騰している。4人目の日本人受賞を織り込んでいる相場となっているが、果たして市場の予測通りに4人目の快挙となるかどうか今晩の発表が注目される。