仏具か隠れ蓑か
さて昨日も挙げたように、このところの原油価格下落等で金などの国際相場が下落基調となっていたが、金はファンドのカバーや国内事情では円安から1年8ヶ月ぶりの上げ幅を記録するなどボラタイルな展開になっている。ところでこの金といえば先週末の日経夕刊一面には「金の仏具、非課税で脚光」と題し、来る来年1月の相続増税を控え貴金属店や仏具店で非課税財産である仏具として金製仏鈴などを買い求める動きが出ている旨が載っていた。
既にこの辺の現象は昨年7月に三越で開催されていた「大黄金展」にて売れ筋としては仏具が一番とのスタッフの弁から当然相続絡みかといった旨を当欄で書いていたのを思い出すが、同紙によれば田中貴金属ジュエリーでは10月の金製仏鈴の販売額が前年同月比で約25%伸び、他の貴金属店や仏具店でも仏像など金製仏具の売り上げが9月以降前年比で2〜3割増えたところが多いとの事で、あらためてやはりという感じだ。
とはいえ同紙では数百万円の仏鈴など高額な仏具なら、これが投資商品とみなされる可能性もあると指摘している。先の大黄金展でその大きさ毎にりん棒を変えながら音色を聞かせてもらったおりんは、それこそ1,000万の大台に絡む物であったがこれらは国税から見れば投資商品になるという事か。ここ数年で目一杯この手に変えてきた向きが多いのは想像に難くはないが、立場変われば見解相違の例がまた今後も多発しそうだ。