持ち合い解消促進

新年度入りとなった日経平均は日銀短観を受けて続落スタートとなったが、昨日末尾に書いたように2014年度の日経平均上昇率は約3割に上った。本日の日経紙にはこの間株価上昇を牽引した主企業が、値上げ力・訪日外国人増、高ROE・株主還元強化、米景気回復・大型投資の項に分かれて幾つか挙げられていた。

こうした事も寄与して大手銀行5グループと大手生命保険4社が持つ株式の含み益も2015年3月期末で、計18兆1000億円と前期末比で8兆円強増えその増加率は8割に達している。とはいえこうして含み益が膨らむ裏で、近年重視されるROE等の観点からは持ち合い株を保有する合理性が一段と問われるとも日経紙では指摘されている。

先に個別ではH2Oリテイリングが同業の高島屋株の売却を発表しているが、当欄でも先月に15年の変遷と題し「持ち合い合戦の呪縛から解放」と書いている。この辺に関しては再来月から導入されるコーポレートガバナンス・コードで持ち合いに関して中長期的な経済合理性を説明するよう求める件もあり、今後は持ち合い株の最後のあぶり出しが促進される可能性が高くなるか。


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