そういう時代

本日の日経平均は序盤モタついたものの、終盤には日銀のETF買い入れ期待からプラス圏に浮上し小幅ながら12日の続伸となり、9日連続で年初来高値更新となった。時価総額もちょうど一週間前に1989年12月のバブル期水準の590兆9,087億円を約25年ぶりに上回っていたが、本日はそれも終値ベースで初の600兆円台乗せ達成となっている。

ところで先週の日経紙投資情報面には、2万円時代の投資家群像と題し連日シリーズが組まれていたが、第一回目のタイトルは「バブル組の期待と記憶」、以降さまざまな投資家が紙面に登場していたがコンサバと肉食系では当時の身の振り方もまた違った。であるから記憶を辿って懐かしいなと一口に言っても思い浮かぶ銘柄自体が全く違うのである。

対面で板を読んでもらう時代から今やこんな光景は化石で、ネット大手は新たな証券の時代を創った。仕手等が好き放題謳歌していたバブル期から打って変わってネット等で金融知識を豊富に蓄え長期目線でこつこつと投資してゆくという草食系も台頭、マーケットも妙な棲み分けが構築されている。

当欄では4月末に「失われた15年奪回」としたものの、一週間前には「高揚感無きバブル超え」と題している。NISAやスチュワードシップ・コードなど漸く「日本版」が始動され、本日からはコーポレートガバナンス・コード導入のはこびだが、かつての肉食系としてはやはり上記の通り高揚感無きというのが正直なところ。とはいえやはりそういう時代になったということなのだろう。


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