永青文庫の賑わい

さて、昨日で9月から永青文庫で開催していた「SHUNGA 春画展」が盛況のうちに閉幕した。日本では初めての本格的春画展ということでモノが春画だけに入場は18禁という異例の展であったが、遅ればせながら私も華道を嗜むご婦人の御招待で同展を過日観てきた。

エントランスでは凛とした着物の婦人方の姿が多く目に付いたが、永青文庫のこじんまりした建物の中は異様な熱気が漂っていた。二年前には大英博物館で大規模な春画展が開催され話題になっていた経緯があるだけに外国人の姿も多かったが、その大英博物館や三井記念美術館蔵の貴重な作品の数々が一堂に会し果たして印刷物と実物の差をまざまざと見せつけられた。

しかし当初20以上の美術館に当たって全てダメだったり、スポンサーも難航したそうだが結局この辺は各所の保身に他ならないというところか。かつてメイプルソープの写真集も裁判沙汰にまでなり芸術か猥褻かでよく議論になったり、愛知美術館でも作品の一部にシーツが覆われて展示された一件も思い出したが、いずれも日本の後進性を表しているともいえるだろう。

そんなワケで今回の春画展が試金石となるかどうか等と色々と考えつつ和敬塾を臨む静かな道を歩いていたが、もう今年もあと一週間で終わり。今年を表す漢字は「安」となったようだが来年に想いを馳せつつ今年はこれで筆を置きたい。皆様、本年もご愛読ありがとうございました。
どなた様もよいお年をお迎えください。


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