オルタナティブドラゴン
さて、先週末の日経紙商品面には「中国に投機資金、騰勢拍車」と題して製鋼原料の原料炭が、中国やオーストラリア等からの供給減を背景に中国大連商品取引所の原料炭先物へも投機マネーが流入し過去5年前の水準に迫るまで高騰している旨が載っていた。
先高観が強まった9月からは売買高も約7倍に急増し政府はメディアを通じて投機筋に警告を発し、今月に入ってからは先物の証拠金や取引手数料の引き上げ措置を取るまでに至っている。オルタナティブを探す投機マネーは政府の思惑を超えて動き鋼材市況に影響を与えるとも同紙では書いてあったが、もう一つ中国では現在ニンニクの卸売価格も1年前に比べ90%も上昇している。
この背景には冷害で主要産地の収穫量の減少を察知した投機筋が一儲けを企み買い占めに動いたとする説が流れているが、しかしニンニク投機で思い出すのが今から7年前に同じニンニクが対象になったバブルか。確かあの当時はインフルエンザに有効との材料をテコに価格は実に前年同期比で120倍以上まで跳ね上がり、その次に狙われた唐辛子も同約5倍にまで跳ねた記憶がある。
投機マネーとしてはポスト不動産というあたりも前回と構図が似ているが、暗躍している筋も所詮は関連投機筋。不動産の前には株式からの逃避があったがニンニク関連株だけはこの半年で約8割高となるなど循環しているあたりが毎度の回帰現象を匂わせる。買い占め用の倉庫を急造してしまう機敏さもさることながら、投機マネーにマッチするマーケットがある限り繰り返されるのは自然な流れか。