司法とSESC
昨日の日経紙夕刊には「処分取り消し訴訟増加」と題してインサイダー取引等で行政処分を受けた個人や企業が処分取り消しを求めて裁判に訴えるケースが増えている旨が書かれていた。
インサイダー取引での金融庁の課徴金納付命令取り消しといえば記憶に新しいのが、昨年の東電のファイナンス情報を野村の担当者から得たのを基に空売りを行ったとの疑いがかけられた金融コンサルの女性の一件か。司法の場での初の取り消しケースとなったが、この一件で懲戒解雇された野村の社員もまた東京地裁は解雇無効の判決を出している。
課徴金は少額であったもののこれ以降も事実認定に異論を唱える向きが多数出てきており、証券取引等監視委員会はこうした動きに対応する為に昨年末に「訟務室」を設置したようだが、確かにデータ一辺倒に対抗すべく海千山千の投資家ほど意欲的に訴訟に臨むのは想像に難くなくこうした輩と対等に渡り合えるマンパワーの確保こそ今後は課題になって来るであろうか。