空箱上場の是非

さて先の日曜日の日経紙一面には「膨れる高リスク資産」と題し、その一因には既存の金融規制の枠組みの外にあるシャドーバンクといわれる影の銀行がカネあまりの中でリスクの高い取引を膨らませている事などが記されていたが、文中には企業買収のみを事業目的とした「空箱」の特別目的買収会社(SPAC)の上場数が右肩上がりの旨もかかれていた。

このSPAC、当欄でも昨年10月に取り上げた際に米では同年7〜9月のIPOによる市場からの調達額のうち半分をSPACが占めるなど急増している旨を書いていたが、同年末にはSECが十分なディスクロを求めるガイダンスを出し、つい先月には一般向けに著名人の関与だけに基づいて投資を決めないよう警告している。

週明けに取り上げたCVCによる東芝買収案も利益相反の疑義が出ていたが、こちらもスポンサーと一般投資家との間に利益相反が起きる可能性が高い仕組みとなっている。そうした背景もあり日本では未だ解禁されていないがSGXは今年半ばにもSPAC上場を解禁する方向となっており、取引所間の競争の厳しさを鑑み今後慎重論に変化が出て来るのか否かこの辺も関心が向くところ。


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