ネット銀戦略

先週はヤマダデンキのヤマダNEOBANKにおける積み立て預金の満期特典の10%還元中止が報じられたのが話題になっていたが、預金といえばこれと同じ日にはSBI新生銀行が28歳以下の全ての預金者を対象に普通預金金利を通常の0.11%から3%への引き上げが発表され、次いでPayPay銀行も円・ドル貯金セットでメガバンクの普通預金の約20倍になる年利2%を開始と報じられるなどネット銀行のニュースが相次いだ。

このネット銀行だが、以前に当欄でコロナ前と比較して預金残高が2倍以上にも増加しておりメガバンクや地銀もうかうかしていられない状況だと書いたことがあったが、彼らの精力的な動きが近年は目に付く。上記の金利引き上げに加えネオバンクサービス等もそれで、冒頭のヤマダNEOBANKを共同で提供しているのは住信SBIネット銀行だがココは高島屋とも組み高島屋ネオバンクを展開、他にJR東日本×楽天銀行によるJREBANKなど他業種とのコラボも目立つ。

日銀の利上げによる“金利のある世界”の到来ではや預金獲得競争がスタートしているが、SBI新生銀行は若年層にターゲットを絞る戦略で、またネオバンクの類は大手百貨店など富裕層が眠る宝庫が魅力でもあり他業種側の方は総合的なワンストップサービスの提供から顧客の囲い込みが狙えるウィンウィンの関係を狙っているが、今後一層他業種との提携等が加速する可能性は高い。

その辺に絡んでは高島屋やヤマダデンキと組んでいる住信SBIネット銀行をNTTドコモが買収との週刊誌報道もあり同社には物色の矛先が向き本日も続伸して年初来高値を更新してきている。いずれにせよ長らくの金利の無い世界の間にネット銀行が台頭してきた経緯もありこれに伴い競争の構図も変わった感があるが、これら預金獲得競争が今後も激化してくるであろう象徴的な報道でもある。


関連記事

この記事のハッシュタグに関連する記事が見つかりませんでした。

最新記事

カテゴリー

アーカイブ