消えるあの時代の渋谷

さて、店頭で“その日まで”とカウントダウンを設けていた「西武渋谷店」が昨日に58年の歴史に幕を下ろした。同店はA館・B館・ロフト館・シード館からなる構成であったが、セブンアンドアイHDがそごう西武をフォートレストに売り渡した過程で地権者の再開発計画の協議も難航続きだったという。還暦?クラスの同店は当時の親会社だったセゾングループ創始者の肝煎りで誕生したが、同じく肝煎りだったホテル西洋銀座の後を追い消える事になる。

同店への思い入れは世代で全く違ったものになってくると思うが、思えばアパレル一つ取ってもDCブランドの火付け役は此処であったし、エルメスやアルマーニをいち早く導入したのもまた此処であった。これがバブル期を経て渋谷の客足も新たなトレンドの方へ向い、近年では駅周辺に行われている大規模大開発で次々と新たなコンセプトの商業施設が誕生、そういった中でトレンドを生み出す街に居続ける意義も次第に失せていったのかもしれない。

しかし渋谷の百貨店といえば共にしのぎを削ってきた東急東横店や東急百貨店本店などのアイコン的存在だった大箱も既に閉店しているが、この大箱といえば更に来月にはこの西武渋谷店に続いてあの“ハンズ渋谷店”も閉店してしまう。これまた西武A館B館ではないが、各フロアをABC分けするスキップフロアが特徴だった。いずれにせよ大規模再開発の裏でお役御免の大箱が消えゆく姿は、青春時代を此処で過ごした向きには寂しいものだ。


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