106ページ目   雑記

普及への距離感

さて先週はインフレ懸念が売りを誘い日米共に株価が大きく突っ込みを見せたが、株式と共に大きく値を崩したモノにビットコインはじめとした暗号資産もあった。この辺の背景の一つには2月にビットコインを15億ドル購入し翌月には米でEV等の自社製品についてビットコインンによる決済を受け入れ始めたものの、先週に一転してこのサービスを停止表明したところが大きい。

当初年内には米国外にも拡大すると意欲を見せていた話題のサービス導入発表からわずか3ヵ月での方針一転の背景には環境に大きな負荷をかけてはいけないとの理由があったようだが、今朝はテスラの売却否定発言で漸く下げ止まったビットコイン相場も発言直後には約10%ほど下落しテスラ本体も約3%下落し4日続落となっていた。

またマスク氏といえばわずか1ヵ月の間に800%の暴騰を演じた同じ暗号資産のドージコン支援も有名なところだが、こちらも米人気バラエティー番組内で詐欺とを発言したのを受けて同番組放映時間後に3割以上もの暴落を演じている。斯様な急変動を目の当たりにすると、他企業も挙って決済手段としての参入を計画しているもののその普及にはやはり疑問を感じざるを得ないのが正直なところか。

ボラティリティに対する仕組みの構築や関連手数料コスト、盗難リスクの問題等々課題は多いが、SECなどは予てより暗号資産市場へ監視を強めている。また直近では米司法省とIRSが暗号資産交換業者で世界最大規模のバイナンスHDに対してマネロンや脱税などの疑いで情報収集しているとの報も入ってきており先ずはこの辺の動向を注視しておきたい。


ダイハード4.0の現実化

今週は周知の通り米国最大の石油パイプライン運営コロニアル・パイプラインがハッカー集団らと思われるサイバー攻撃に遭いパイプラインの稼働停止にまで至ったとの報が世間を騒がせていたが、先の水道浄水施設のハッカー攻撃と併せ2007年に公開されヒットしたハッカー集団が金融機関やインフラを狙うという筋書きの映画「ダイハード4.0」が瞬時に思い出された。

14年前の娯楽映画がまさか本当に現実のものになってしまうとは当時は想像もしなかったが、これに限らず本邦企業も先月から今月にかけてだけでもゼネコン大手の鹿島、センサー機器大手のキーエンス、また直近では印刷機大手の小森コーポレーションなど続々とハッカー集団によるサイバー攻撃に遭い金銭の支払いを要求されるなどの被害に遭っている。

本日政府はサイバー攻撃を念頭にサイバー分野の防御力を強化するのが柱の次期サイバーセキュリティー戦略の骨子をまとめ昨日発足が正式に決まったデジタル庁との連携も進める構えだが、台湾など近隣諸国と比較しても先のコロナウイルス接触確認アプリのお粗末さに見られるようにデジタル分野でも心もとないのが現状。一昨日取り上げたワクチン同様にこの分野も後進国落ちと揶揄されぬよう官民共に対策強化が喫緊の課題なのは言うまでもない。


世界経済の覇者

さてインフレ懸念から直近でこそマネーが流出している米のテック株群だが、これらのうち主力のGAFAは先月末までに発表された21年1〜3月期決算ではアルファベットの純利益が1年前の2.6倍、アップルは同2.1倍、フェイスブックも同1.9倍、アマゾンは巣ごもり消費に加えクラウドサービス事業も好調で実に3.2倍と何れの企業も破竹の勢いとなっていた。

というワケではこのGAFAが3ヵ月で稼いだ利益は実に6兆4000億円とまさに前代未聞な数字となり何かと本邦企業と比較するのもあれだが、例えば日本を代表?するトヨタ自動車の昨年の純利益が約2兆円相当として考えると実に同社の3年分の利益をたったの3ヵ月で稼いだ計算になる。

昨年はテスラの時価総額がトヨタ自動車のそれを超えたのも束の間、わずか半年足らずであっという間にこのトヨタ自動車含めた日本を代表する自動車9社をも上回った旨を書いたのを思い出すが、改めて日米の新陳代謝の違いを見せつけられると共にイノベーション力を武器にビジネス拡大を狙っていたかつてのガムシャラさがすっかり色褪せてしまった感は否めない。


株もワクチンも

本日の日経平均は値嵩系への売りなどから4営業日ぶりに急反落となっていたが、先週の日経紙夕刊・投信番付で冒頭に「日本株の上昇率は中・長期で欧米株に見劣りし、いまだ史上最高値を更新できていない。」との一文があった通りでマーケット関係者は一様に口を揃えてこの出遅れを指摘する声が多い。

機関投資家需要含め様々な要因が考えられるが、ワクチン格差や直近の中国問題を挙げる声も多い。ワクチンに関しては昨日の日経紙・インサイドアウトに新型コロナウイルスワクチン開発で日本は米中ロばかりかベトナムやインドにさえ遅れを取っている旨が書かれていたが、果たしてその接種率も惨憺たるものでこの影響がサービス業のPMIなどに色濃く表れているところ。

もう一つの中国問題といえばやはり新疆ウイグル自治区問題だが、日経平均への寄与度の高いファーストリテイリングなどの主力がこうした渦中に居るだけにこの辺が足を引っ張っているか。何れにせよワクチンにしても生産拠点にさえなれない現状を見るに後進国に成り下がったと言われても止む無し。本日の日経朝刊には宝島社の考えさせられる全面広告があったが、マーケットも政治・行政劣化の影響を受けている部分も多分にあろうか。


オリジナル証明?

さて、前回は過剰流動性の受け皿となっている現代アートのオークションなどを取り上げたが、もう一つの受け皿として最近話題になっているモノにNFT(非代替性トークン)なるものがある。ちょうど4日の日経紙でも「高騰デジタル資産アートか投機か」と題しデジタルで作成したアート作品や音楽を売買する市場が個人間でも高値で落札されるケースが出て来るなど急速に拡大する旨が出ていた。

このNFT、なんとなくその存在を知ったのが一寸前に世間を騒がせたツイッター創業者の最初のツイートに3億円の値が付いた件か。またあの老舗クリスティーズが現代アートのNFT一作品をオークションにかけたとの報もけっこうな驚きであったが、それが実に約75億円という誰もが知る著名画家並みの値段で落札された報も衝撃であった。

これら巨額の案件はそれとして若手のVRアートやゲーム会社によるトレーディングカードなども瞬時に売り切れる鉄火場市場となっているが、上記の含めこうした熱には当然ながら暗号資産の高騰という背景がある。ブロックチェーンの絡みでビットコインと共に史上最高値を更新したイーサリアムもロスチャイルド・インベストメントがその投信を購入するなど枝葉の動きも顕著になってきている。

しかし普通に考えればデータそのものはコピー出来るモノに付ける値としては本質を無視したようにも思え、暗号資産バブル?終焉まで適正価格という部分に関しては疑問符も付くが、曲がりなりにもオークションにかけ難かったデジタルモノをNFTが解決しクリスティーズでさえテクノロジーを活用し新たしいマーケットに進出している事に改めて時代の潮流を感じるというもの。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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