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半減期のアノマリー

昨日の日経紙金融経済面には「ビットコイン供給8分の1」と題し、ビットコインの市場への供給量が当初の8分の1まで減少するのに伴いその需給思惑もあり価格は今年の3月中旬の安値から先週には1万ドルを付け約2倍化した旨が出ていたが、これで急落するほぼ1ヵ月前の水準を再度回復と依然ボラタイルな動きを演じている。

今回は2012年以来3回目となる半減期だが、上記に加え緩和マネーの膨張も背景にして倍化した事でまたもアノマリー再来といった感もある。ただ今年の場合は約6割もの急落の憂き目に遭った背景にはコロナウイルスの感染拡大でマイニング作業への影響への過度な懸念も災いした部分もある面あろうか。

ところで、同頁ではヘッジファンド創業者の「ビットコインは70年代の金」との投資家向けリポートコメントがあったが、ETF残高が過去最高を更新し続けているこの金もまたキャッシュが最優先されるパニックの中で一緒くたに売られた後に再浮上の軌跡を辿っている。緩和マネー溢れるなか今後も或る意味対極ともいえる両者が同時物色される場面を目にする機会も多くなろうか。


評価其々

さて、昨日の日経紙一面には同紙とテレビ東京が実施した世論調査で新型コロナウイルスの政府の取り組みについて「評価しない」との回答が55%と前回調査から11ポイント上昇した旨が載っていたが、二転三転の特別定額給付金に始まり未だ全てに届かないアベノマスク、緊急事態宣言の際には東京都知事と経済財政再生相の間で軋みも見られるなどこういった時こそ諸々目に付くもの。

また直近でザワついているのが厚生労働大臣による新型コロナウイルスのPCR検査に向けたセンターへの相談の目安を巡る「誤解」発言だが、そもそもが知事権限を飛び越え政府が僭越な通達を出していた事で権限と責任が斯様な言葉遊びで曖昧にされてしまうところが関係者側や我々としては憤懣やるかたない思いというところだろう。

知事といえば次頁に知事のコロナ対応評価で大阪の吉村知事がトップになっている旨も出ていたが、目先の休業要請解除一つ取っても命を取るのか経済を取るのか各自治体知事にとって重い決断だが諸外国でも采配が冴える知事が俄かに人気を博している通り有事下にこそリーダーの真の資質というものが見えてくるもの。


農水も苦悩

さて、昨日は母親に日頃の感謝を伝える「母の日」であったが、街のフローリストやパティスリーなど先週あたりから定番のカーネーション等を中心としたディスプレイ一色となり、このコロナ禍のなか外の列もソーシャルディスタンスを守り皆思い思いに品定めをしていた光景が見られた。

しかし花卉といえば新型コロナウイルスの影響から自粛ムードで冠婚葬祭規模が縮小、卒業式等の学校行事や歓送迎会の中止も災いし最需要期が総崩れとなった旨を3月頃に当欄でも取り上げたが、この定番のカーネーションや薔薇などの花もその相場は先月末時点で出荷価格が前年同期比で4割から6割近くも下落している模様だ。

先のホワイトデーにも農林水産相が花の消費を喚起していたが、農水といえば今年は突然の休校や飲食店営業縮小等を受けて牛乳もまた過度な余剰感が出ている。花卉や牛乳いずれも日持ちがしないという商品の特性は同じで後者など簡単に生産調整も出来ないだけにまだ暫くは同省の苦渋も続こうか。


ワンチーム

さて、連休中の日経新聞一面・コロナと資本主義の中には「企業、公益担ってこそ」と題し、先の世界経済フォーラムの年次総会で取り上げられ多くの企業が賛同したところの行き過ぎた株主至上経営からステークホルダー資本主義に移行すべきだとの議論に対する決意がこのコロナ禍の下で試されている旨の記事があった。

ちょうど1ヵ月前に当欄では米ではテスラやGE、フォードモーター等々による人工呼吸器を急ピッチで増産し世界の病院へ無償配布したり、英ダイソンも同パンデミックに対する取り組みに寄付したりと欧米の主力勢がまさに先頭に立って公益を担っている一方で本邦勢との温度差を感じる旨を書いていた。

その末尾では「かつて松下幸之助氏が言った企業は社会の公器という言葉がこんな時にこそ思い出されるもの」と書いておいたが、あれから出遅れていた感の本邦勢も政府の後押しもあってトヨタやソニーが人工呼吸器で医療機器メーカーを支援したり、帝人の医療用ガウンの生産や花王の消毒液の大幅増産等々大企業勢が続々と後に続いている。

今や医療機関と共にこうした大手企業もそれぞれの得意技を持ち寄って前例無き提携など従来の組織の壁や慣習を超え、また彼らのみならず大学や自治体まで一丸となった連携プレーとなっているが、政府の後押しという点では未だ欧米比で依然として温度差は否めず未曾有の敵にどう抗するかまさにこの辺が揃って初めてワンチームの底力が試されるか。


色のあった街

さて、本日は4月30日だがちょうど21年前のこの4月30日を最後に東京証券取引所の「場立」が居た立会場が閉鎖した旨が一昨日の日経夕刊(ニュースなこの日)に出ていた。元々この場立の手振りサインは古くは大阪堂島のコメの先物取引まで遡る歴史のあるものだが、かつての株式取引所から約120年もの間場立は投資家の注文を取り次いできた。

上記の背景もありこの世代でも、証券営業マンより商品営業の方が実際に同じ場立のサインで場中に注文を出していた経緯がある事からむしろ馴染はあるのでは?更には今どきの証券マンに銘柄を表すサインを見せても何の事やらサッパリわからないだろうが、それは兎も角も当時の怒号飛び交う笛吹き交えた仕手株などの活気が今更ながら鮮明に思い出される。

そういえばちょうど1年前の当欄では「時代と対面需要」と題してその末尾では「〜笛吹で場立が殺気立つ光景が消えた後はアローヘッドが稼働する無機質な光景に変り、兜町も東証から続く中小証券が犇めき合っていたその街並みもガラリと変わり果てたものだ。」と書いていたが、今年に入りK5などリノベーションを経て誕生した複合施設がオープンしている。

最近では蔵前などこの手の試みで東京のブルックリンなどとも呼ばれ人の流れも変化しているが、以前も書いた近所の浜町も再開発が進んでいるおり所謂賑わいという観点でこれが減ってしまったこちらも上記のように活気のあった時代よろしく再び街全体の「色」が戻ってくるのかどうか今後も注目してゆきたい。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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